黒い花
「感染症かなにかなのか…まだなんとも分かりませんけど、こうも続くのは少しおかしいですし、怖いですよね」
「そうですね。共通して胸にあるという黒い花のような痣も気になりますし、やっぱりなにかの病気なんですかね…私たちがまだ知らない……ただ亡くなる理由が皆さんそれぞれだから本当にまだなんとも言えないですよね。引き続き調査していただきたいなと思います。」
「なんでもいいから分かることが一つでも見つかるといいですね」
「そうですね。」
「はい。続いては--…」
テレビから聞こえる男性アイドルと女優のやり取りを耳だけで聞きながら、壁に沿うように並べられている棚の上の一輪に触れる。
「あのおばさんの花綺麗に咲いたな。………最後まで、クズだったのね」
花は私が触れた瞬間、ふわりと散っていった。
なにも分かりはしない。私以外には。
私はその散った花びらにライターで火をつけた。燃えていく様を見ながらつぶやく。
「汚いな。」
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