第14話嘘つき


隼人は、黒沢に花梨を捕まえさせた。


「嘘つき!」


花梨は、黒沢のボディーガードに抑えられている。


「くだらない、ガキの恋に付き合っても意味がない。黒沢の方についただけの事だ。あんたも大人しく黒沢に可愛がってもらえ。」


隼人は、黒沢に、マリエの居場所を聞いてそこへ向かった。



郊外にある静かな病院だった。


マリエは、すぐに見つかった。


庭園のベンチで看護師と話している。


そのマリエ顔は幸せそうだった。


看護師がベンチから離れたのを見て隼人は近づいた。



マリエは、隼人の姿を見ると隣に座ってと手招きした。


そして大きくなった自分のお腹に隼人の手を導いた。


温かい。


平和と平穏をその体温で感じた。


スイカのように叩き割ってやろうと考えていた自分が恥ずかしくなった。




「あなたの子供よ。」


静かにマリエは言った。


「あぁ、悔しいけど確かに俺の子供だと感じるよ。」


「あなた、幸せそうな顔してる。」


「本当?」


「うん。」


しばらく黙って手をのせていた。

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