蕗亜の幼少期(弍)
『蕗亜君凄いねぇ〜?この問題習ってないのにどうして解けるの?』
『頭良いし怒らないし優しいよね!』
『運動得意ですげぇじゃん!もっと頑張れよ!』
『尊敬するよ!』
『ありがとう蕗亜君のお陰で…─』
『 良い人だよね〜蕗亜君は』
『怒るところなんか見た事ないよね』
・
「「蕗亜君って良い人だね!」」
別にこんな言葉聞きたかった訳じゃ無かった。優しくも易しくも無い。ただただ…─
僕が他人に何か言っては駄目だ。
善くも悪くも無い。後者だ。赦されていない。誰かを叱る・怒ると言うことは自分の意見を押し付けてこれが正論だって言ってるだけ。だから、何も言わない。それどころか思わないんだ。
歯車が回り続けている事に気づかないのか。
何時まで誰かを祀りあげて良い人を自分達の中で作り上げて実現しようとしているのかな。
周りが僕を祀りあげてまるで一種の神であるかのように接して来る事が…―─────
嫌で嫌で嫌で…終いには自分のこの感情の意味すら考えるのが面倒になった。向き合う事を止めた。
『あ〜あ…やっぱり駄目だね』
『こんなに優しくしたのになんで駄目なの?』
『馬鹿みたいにヘラヘラ笑って』
『勉強出来ないならなかよくしない!』
・
『皆違って皆良い』
それを壊したのは大人や僕達。少しでも気を抜いてしまえば僕は用無しとして扱われる。
何も出来ない奴には用は無いってね。
そうだ、これこそ考えるのが無駄なんだ。
定義に従うでも無く僕は只の飾りにでもなって居よう。
………生きるって面倒。考えたって答えが出てしまって絶望するだけだから。
臆病だってなんだって言えば良い。
だってもう何も感じないから言いたければ言わせておけば良い。
世の中の矛盾は変わらないのだからそれを追求して思考迷子になる位なら、自分に嫌悪を抱く位なら…──
……─この薄汚れた世界で早く消えてしまえば良いのに。
これは殺意じゃない。僕の今の意見だよ。
嘘。嘘…嘘。
自尊心が無いわけでも無いけどね。きっと気付いてそれを想うのも面倒で無駄で仕方ないっ思ってるだけ。
止めよ止めよう…こんなに
って言われたからそう思う。
そんなに僕には人に晒せる程の
夜の霧が周りを包み視界がまるで幻でも見ているような美しい夜も更け…───
『はぁ〜〜〜〜〜……………っ。やーな事思い出したな〜wあ、そうだった、何買うかメモ持ってきてないwなーに買おっかな♪』
*勿論…──唯の幻話だよ?*
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