第10話


一方、迷涼が忘れてしまったレポートを届けに大学にやって来た遥。


「んー。来たのは良いものの…スズちゃんの教室どこやろ」


電話で聞くか。


と、スマホを片手に立ち止まっていると。。。


「どうかなさいましたか?」


ふと、声を掛けられたもので前を向くとそこには、笑顔が素敵な男性が立っていた。龍夜だ。


「あ、すみません。あのぉ、兎菓子 迷涼と言う子のクラスは…何処かわかりますかね?彼女が、大切なレポートを、忘れたみたいなんですよ」


「とがし???あー…あの子か分かりました。良かったら、俺が渡しておきます」


「え?ええんですか?じゃあ、お願いします」


遥は、レポートをそのまま彼に渡した。


「はい!」


遥を見送ったあと、龍夜はンーっと背伸びをする。そこに。


「兄さん、何してるの?」


声を掛けてきたのは、龍夜の弟であるー笹木部 右京ーだ。。。


龍夜にも、負けず劣らずのイケメン。


高身長、顔も良しの右京は、生徒からとても人気があった。


「右京か、いやこのレポートを届けに行かないと」


「ん?ああ、これ現代文のレポートじゃない。兄さんて、化学担当だよね?」


なんで?と、首を傾げる右京。


「と、と…なんて読むの?」


レポートの名前が読めない。


「うさぎかし…めいりょう?まぁ、誰だか分かってる人間だから」


さっき、名前を聞いたばかりなのに、もう忘れてしまった為、適当に、龍夜が読む。


「知ってる子なの?」


「まぁね。安眠妨害隊隊長の子だな」


「意味わからないんだけど」


そのまま、龍夜と右京は七倉が講義している教室に向かう。

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