第9話


そして、現在。。。


「なんで、別れちゃったんでしたっけ?」


とりあえず、会議が終わり、茜が千代に尋ねる。


「……なんでだっけ?」


「覚えてないんですか?」


「まぁ、昔のことだし」


「でも、今は、大事な人いますもんね。如月副店長」


「?」


とりあえず、店長が帰ってくるまで待機ということになった。二人は、仕事着である着物を更衣室で着替える。


千代は、首を傾げた。


「大切な人?」


「え?奥山店長とお付き合いしてるんじゃ」


「してないけど?」


「え??!だって、この前バイトの瑞月ちゃんが、二人が資料室でキスしてるの見たって」


頭の整理がついていけない茜とは、対照的な千代。


「あ~…キスはするよ?」


「え?!夜の方は?!」


ぐいぐいと、聞いてくる茜に軽くデコピンを食らわせる。


「朝から下ネタぶち込んでくるの辞めてくれるかな」


「すみません。でも、奥山店長は、如月副店長のこと…」


その言葉に、千代はあることがフラッシュバックする。


ザーザーッ。雨が降る中、涙を流して立っていた遥。。。


『僕は、あの人には要らない存在みたいやねん…僕が、どんなに頑張っても…千代も…いつか…僕を見捨てるん?』


『そんなことない!!!私は、遥さんの傍にいるから!だから、何処にも行かないで!』


彼の胸板に、顔を埋めて必死にそう呟く。


そこから、遥と、千代の謎の関係が始まったのだ。。。



「如月副店長?如月副店長ったら!」


少しの間、上の空だったようだ。茜が、千代の前で手を振る。


「あ、ごめん」


「で?!奥山店長とどんな関係?」


一から説明するのが、面倒臭い千代からでた答えた。


「セフレ?」


あ、今私最低なこと言ったわ。まぁ、いっか茜ちゃんだし信じるワケないはず…。


「な、なるほど…」


あー…信じじゃった。


誤解を解くのも面倒臭いので、とりあえず遥にテレパシーで、『ごめんなさい』と、謝っておいた。。。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る