第6話


~次の日~


また、彼女たちの日常が始まる。


迷涼に、起こされて。


優雅にお茶をしている遥に、からかわれてパンダのぬいぐるみを投げつける。


そのまま、迷涼を大学に送り遥と、千代も仕事場に向かう。


「さぁー、着いたで」


迷涼の大学から、仕事場まで車で約10分。家から、歩いて来れない距離ではないけれど、仕事場の途中にある為、遥に甘えている。


千代は、ふと気付く。後部座席に置いてあった、1枚のクリアファイル。


「あー…これ、あの子のだわ」


クリアファイルを、手に取り車から、降りて遥に見せる。


「ん?なにそれ」


「多分、レポートだと思う。昨日、夜中まで掛けて書いてたから」


「なるほど。て、コレないとスズちゃん困るんちゃうの?」


「そうですよね、私届けてきます」


走り出そうとする千代の手を、引っ張る遥。


「足、ヒールやろ?それで、転んでもうたら大変やん。僕が、車でチャチャッと行ってくるわ」


「でも…店長、朝の会議は?」


「あー、遅れるっていっといて?」


千代の頭をポンポン。と、叩いてからクリアファイルを手に取り、車に乗ってそのまま行ってしまった。。。


「変な店長」


「あ!如月副店長!!」


店から出てきたのは、バイトの茜だ。良く、彼女とは恋の相談などをしている。


「どうしたの?」


「今、かすみ大学行ったらダメですよ!!」


「なんで?」


かすみ大学は、迷涼の通ってる大学だ。


「あの人がいるんですよ!」


「あの人?」


「如月副店長の元彼!!」


「え?」


止まっていた幸せな時間が、動き出した。。。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る