第2話
無理矢理、遥作のゴスロリエプロンを着せられそうになった千代。
思いっきり、遥の頬を殴りつける。そのまま、三人は遥の車で各々の仕事に行く。
これも、変わらない日常。
「遥ちゃん…傷だらけだね」
「大きな虎さんに、噛まれてもうたからな」
車の運転中、後部座席に座っていた迷涼と、助手席でふんぞり返ってあからさまに、機嫌が悪い千代を横目で見つめる遥。。。
「虎??可愛い子猫の間違えでしょ」
「猫は、こんなに激しく引っかかないでしょ?」
「うるさいよ、すず」
千代の言葉に、お口チャックする迷涼。
「ちぃちゃんが、何であれ僕は、愛してるで」
ハンドルを片手で、器用に運転しながら、もう片方の腕で、千代の肩を抱く。
「ハイ、アリガトウ。お願いですから、前向いて運転して下さい」
「ハイ、アリガトウ。だけ、妙にアメリカンだったよ」
「発音頑張った」
「ちぃちゃん、意地悪やで?」
「ねぇ!お願い!!!前向いて運転して!!」
「キスしたら、考えてあげるわ」
「それは、キョウハクです!!!」
「あ、またアメリカンになった」
目の前の信号が、黄色から赤に変わる。
「店長ぉおおおおおおおッ!!」
「遥ちゃん!赤ッ!信号赤ッ!!!」
遥は、思い出したかのようにブレーキを踏む。
「いややわ!僕がまさか事故るなんてありえんよ~。アレ?二人共顔、怖いで?」
凄まじい勢いで、遥にブスブスと刺さる千代と、迷涼の怒りの視線。
ースパコーンッ
「軽く走馬灯が走ったわ!店長じゃなかったら、フルボッコよ」
千代は、パンパンと手を払いながら、後頭部を殴られアニメのようなタンコブを作った遥。
「じゃあ、私行くよー」
「あ、ココすずの大学か。気をつけてね」
現役大学生の、迷涼は一人と生きた屍一体に、別れを告げて大学の門を潜って行った。。。
残ったのは、生きたしか…遥。彼は、動くことなく、ぷいっとそっぽを向いた。どうやら、不機嫌らしい。
まぁ、遥と付き合いの長い千代ならこの程度なら、治せる。
「はるかさん」
ピクッ。彼の耳が動く。
「こっち向いて下さい」
「なんよー…また、叩…ンッ」
頬をに優しく、手を添えて唇を塞ぐ千代。
コレが、遥の不機嫌を治す方法。。。
「大切ですよ、はるかさん」
「ちぃちゃん、loveッ!!!!」
抱きしめられる遥の胸の中は、とても、暖かった。。。
もう、ホントに、この人は。。。と、満更でもない千代である。。。
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