覚めない夢
蛍光灯の灯りと人工的な音に包まれて
あのこは覚めない夢を見続けている
実験室の隣の部屋では男たちがデータを取っている
いくつも秘密で封印して
一体いつからこんな事を繰り返してきたんだろう
誰にも知られないように 水も漏らさぬように
コンクリートの壁
白く塗り潰された壁
微かに鼻をくすぐる血の匂い
腕に挿されたチューブから透明の液体が注がれる
直線と直線が交わって
計算式と最新理論とタイムスケジュール
機械仕掛けで生体部品が動いていく
神様とは逆の方法で
神様と同じ事をしようとして
全て閉じたこの部屋で
お日様の温もりも知らず
お月様の優しさも知らず
ずっとずっと長い旅の中で心もゆっくり壊れてく
狂った心をクスリで抑えながら
限りない不安を快楽で誤魔化しながら
もう後戻りなんて出来ない眠れない夜
色のない空 音のない風
窓ひとつないさびしい部屋
あのこは覚めない夢を見続けている
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