島の記憶

 やわらかな光が降り注ぐ始原の森

 始まりはいつも穏やかなところ

 湧きいずる泉の如く静かで満ちている


 生命いずるここは全ての存在が輪

 閉ざされた中で調和の鐘が鳴り響く

 余計なものなど何もなく

 美しい残酷なオキテが支配する


 森は今もこの地を占めて

 永遠の時を約束している

 海が全ての異端を排除していた


 いつも繰り返す永遠の営み

 空に雲が 雨が葉を湿らせ

 月光に瞳光るものたちが暗躍し


 穏やかな海

 遠くに見える船影

 緑の島は海に浮かぶ宝石


 まだ人の知らない木々や

 まだ人の知らない動物たち

 太古からの記憶受け継ぎし島


 あの日海を焼いた灼熱の雲が

 この地に一体何をもたらしたのか

 誰一人として知る者はなく

 今もここは昔の姿のままでいる


 誰も人の住まない無人の島

 多くの生命宿る豊穣の島

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