黄昏に滲む丘

 十字架は罪のしるし

 今日もまた人知れず命が捧げられていく

 鮮血のような紅い紅い景色に滲む

 数え切れない十字架が並ぶよ


 宗教的な意味で言えば

 もうこの世に真の善人など居ない


 悪を知りそれを行う者

 悪を知りそれを止めない者

 善を知りながらそれを行わない者


 それらを全て罪だと言うのであれば


 TVで娯楽のように事件を眺める僕ら

 遠い国の戦争を物語のように楽しむ僕ら

 そんな事より明日の天気の方に気を取られる僕ら

 好奇心を満たす以外の何物でもないよね


 これだけ多くの命が失われているのに

 見当もつかない数字が一人歩きしているだけ

 正義だ悪だと叫ぶ道化師が独り言を喋ってる

 けれどもこれは太古の昔からの下らないゲームが続いているだけ


 世界の罪を一人で背負った偉大な人よ

 あなたの救った世界は今も変わりなく

 あなたの後継者たちは争いの火種を消せずにいます


 未来に夢を抱けず終末思想のように破滅を望む日々が続きます

 もうそれは始まっているのだと警鐘を鳴らす人も居ます

 世界がひとつにならないと住めなくなるかもしれないと言うのに

 あの紅い紅い景色にはりつけられるのは明日の僕らかも知れないのに

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