カウントダウン

 かつて空を飛んでいた記憶が

 僕の寝室で共鳴してる

 窓の外からにぎやかな歌が聞こえる


 お休みの日はずっと眠っていたいんだ

 もうずっと死んだようにずっと

 一時停止ボタンを押したような景色の中で


 風が足りなくて部屋の窓全部開けて

 それでも足りなくてプロペラも回して

 ずっと影側の窓には必要のないすだれがそのままで


 ずっとずっと普段よりずっと低い目線で

 物音ひとつしない部屋を眺めているよ

 沢山のあふれかえる物たち

 動かないそれらはあたかも前衛の作品のよう

 あの日なくしたお宝は多分今もこの部屋のどこかにあって


 カーテンが少しゆれて

 道行く車のエンジン音が聞こえて

 お気に入りのCDはリピート三回目で


 外はとてもよい天気で

 布団はとても気持ちよくて

 寝返りはもう何回したか分からなくて


 僕は後もう少しで眠りにおちるだろう

 一週間分の疲れがまぶたの上で踊ってる

 もう少しこの雰囲気を味わっていたいけど

 もう少しこのお布団のにおいをかいでいたいけど

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