眠れないよ

 身体のスミズミが悲鳴を上げている

 こんな熱帯夜の夜

 大きな目をした深海魚が窓の外を泳いでる


 いくつ時計をぶら下げたら

 この分刻みのスケジュールを忘れられるの

 天井に星の絵をどのくらい飾ったら

 本当の願いを叶えてくれる流れ星が見つかるの


 子供たちは無邪気にぐっすり眠ります

 こんなたっぷり汗をかく夜に

 こんな目をつぶるのさへ苦痛な夜に


 みんなみんな南の島に遊びに行くんだね

 あんなに温暖化にビンカンになっているのに

 ここが熱帯になればもうパスポートなんていらないよ

 楽園みたいな小さな島なら瀬戸内海にだって


 うふふ そこで笑っているお月さん

 もう石を投げる気力もないですのよ

 あはは こうやって平和な日々は

 誰も何も疑う事無く過ぎていくのです


 静かだなぁ


 静かですねえ



 眠ろうかな…



 眠れるかな…?



 やがて夢の扉は開かれず静寂だけが無表情に通り過ぎていく

 いつもより暑過ぎるこれからずっと蒸かされていく僕ら

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