七月の空

 田舎の小さな用水路

 そっと笹舟を流します

 舟は小さな旅を楽しむように


 久しぶりに晴れた空は何も言わないけれど

 見る人の心に直接イメージを伝えてくれるね

 形に出来ない風が嬉しそうにカーテンとはしゃいでる


 いつの間にかセミが鳴いていて

 昔の記憶が蘇ってきます

 簾や網戸や風鈴が

 そう この季節には欠かせなくて


 梅雨が明けて夏になって

 もう残り少ない七月の空

 朝から子供たちの声が聞こえます


 僕らはもう変わらない生活をしているけれど

 今だってこの頃になるとなぜかワクワクしてる

 懐かしい夏の記憶が多分そうさせているんだね


 田舎の見慣れた風景ももう随分と変わってしまったけれど

 思い出の場所はもう無くなってしまっている所もあるけれど

 変わらないこの空と海が心に小さな波紋を描くのです


 笹舟さらさらどこまでいくの

 遠く天の河まで流れていくの

 星の大河で懐かしいあの人に出会えたなら

 どうか僕は元気ですって伝えておくれ

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