最後の冒険

 うすぼやけた意識の中で

 カメたちが

 ああ またカメたちが


 無残にも無常にも押し潰されたまま

 自慢の甲羅もあっさりと

 安心してたのにね

 絶対安全なはずだったのにね


 まるでゾウに踏まれたみたい

 だったのかな

 ゾウが踏んでも壊れない筆箱

 今では伝説の筆箱


 それはそうとこれからの時期は

 池から沢山の旅人が

 まるで昔と同じような感覚で

 それとも非常なる覚悟の上で


 鬱蒼とした森の奥

 そこの多くの住人たちは

 これからも永久の輪の中にいると誤解してる

 もう雨の色が変わっているのに気付いてもなお


 今宵も濡れた道路の上で

 カメたちが

 ああ またカメたちが

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