第2話
前回のまとめ
突然マリーがやって来て村の人たちを避難させる、理由はあの白い夜がまたやって来るということ、そしてマリーはニーナとセフィだけは村に残り行動を共にするようにと言う、しかし、スランだけが村にいないことがわかりマリーが探しに行くことになった
残ったニーナとセフィは不安ながらも滝の近くに出かける、そこで、上流から流れて来た巨大な大木が滝壺に落ち、その衝撃で津波のような波が起こる、ニーナは離れてたところで水浴びをしてたので足を取られて転ぶだけだったが、セフィは滝壺の近くにいたため、波に飲み込まれ水の中に落ち、上から落ちてきた大木に押しつぶされるように水の底に沈み気を失い川に流されていった、
ニーナはセフィがいないことに気がつき、セフィが流されて行くのを見た、ニーナは裸のままその必死にセフィを追いかける、そして、流れのゆるいところでセフィが起き上がっているのを見つける、そしてセフィは裸のニーナに支えられて滝壺の方に戻って行く
ニーナはセフィと家に戻る途中でセフィの異変に気がつき、マリーのあの時のいった意味を理解して不安になり、マリーが早く戻るのを願う。
二話
おれが、川の中で青い空を見上げてたころ、ニーナと同い年のスランも災いにあっていた
スランは森の中、弓を持ち獲物の野ウサギを追いかけていたのだが
いまは、野ウサギのように逃げ回っている
「ハーハー」息を切らしながら走りつずけるスラン
スランを囲みながら追いかけてくる数人の人相の悪い男達
どの男も、軽装の鎧を着て、刀のような武器を持っている
「ハッハッハー、待てよクソガキ、俺たちとあそばないか」
笑い顔を引きつらせ、スランを追いかける
「ふざけるな、いきなり切りかかってきて、そんな遊びあるか!」
違う男が「なにいってんだ、こんな面白い遊びないだろうが !」
両手に刀を持ち、恐ろしいほどの形相で叫ぶ、
スランは弓を引き、その男に向かって矢を放つ
「おれからの贈り物だ、こいつと遊んでてくれ」
矢は男に当たらず、何処かに飛んでいった
「クソ」
「ハーハー、いらねーよ」息を切らし青ざめた顔で叫ぶ
スランはもう一度、矢を矢筒から矢を取り出し弓を構えようとしたところ
別の男が、スランの後ろから刀を振り上げ、襲いかかって来る
ゴンという鈍い音がして、スランは背中に激しいい痛みを感じ地面に倒れてしまった
「ぐあー!・・・く、くそー・・・ニーナ・・・」
後ろから殴ったおとこが、「へっへ、やっとつかまえたぜ」
スランの背中を踏みしめる
「ぐぅわー!」スランが痛みで絶叫する
背中を踏んでた足で今後は、スランの脇腹を蹴飛ばす、
スランは地面の上を転がり仰向けになる
「やっとつかまえたぜ、お楽しみはこれからだぜ」
片手に刀を持った男が近づく
スランは近ずく男を睨む、
偶然にも左手に弓と矢を持ち矢の先が近づいてきている男の方に向いている、後は弓を引けば矢は男の方に飛んで行く
スランは、弓を引き矢を放つ
矢は、男の足に突き刺さる
「ぐわー!」
矢が刺さった男は地面に崩れるように倒れそうになったが、刀を地面に刺しなんとか踏ん張った
男がスランを睨むと、スランが死にそうな顔をしながらニヤついてるのがわかった
足の痛さと怒りで「クソガキがー!」と叫びながら、地面に刺した刀を振り上げ
スランに飛びかかる、その刀は腹を突き刺し、さらに男は力をこめて腹に刺さってる剣を押し込む、
絶叫と獣のような叫びが混じり合い森の中にこだまし響く
スランの腹に突き刺さった刀を手放し、男は矢の刺さった痛みで後ろに倒れこむ
「おい、なに殺してんだよ、こいつの村の場所がわからんだろうが」
「くそ、足がいてーんだよ」
「しかたない、誰かこいつの足おさえてやれ、俺が矢を抜いてやる」
矢は、男の右足太もも前から刺さり骨で止まっている
これはもう、力任せに足から引き抜くしかない
二人掛かりで抑え込み、矢を力任せに引き抜く、
麻酔などしてないので、悲鳴と抜いた後から血があたりに飛び散る
その時、スランの腹に刺さっていた刀が抜け落ちるのには誰も気がつかなかった
スランは、森の地面に寝転がり木漏れ日の中、青い空をみあげていた
周りの騒々しさには気がつかず、さっきまで自分の腹に刺さっていた刀を握りしめ
空にかざした
それは、まるで青空に浮かぶ紅く染まった三日月のよう
この時、スランは空と自分の血で染まった剣をただ見ているだけで、まわりの音はなにも聞こえなかった
『赤い剣そして空が青い、ゆっくりと流れる雲、あの雲のようにおれも空を』
スランは行くリト立ち上がり、空に吸い込まれるように飛び上がった
視界は一瞬でひらけ、今いた森の木々が足元に見える
空は大きく風は強く冷たく肌に当たるけど
心はとても晴々ととても気持ちが良い
スランは、持ってた剣を上にかざし空を切るように登って行く
そして、剣は太陽の光を受け紅く輝く、プリズムが光を屈折するように
剣は太陽の紅い光だけをいろんな方向に屈折させ紅く輝く
最初、上に見上げ頬に当たってた風がやがておさまり、下から吹く風に変わる
スランは体をひねり風の吹く方に顔を向ける
その視線の先にあるもの木々の緑色が視界に広がり、遠くには薄く白くぼやけた山々が連なる
したから吹く風はドンドン強くなり、足元に見えている木々が近ずいて来る
その木々の間を動いているものにスランは気がつく
『あれは・・・人?なにしているんだろう・・・』
スランはぼやける記憶の中、さっきあった事を少しずつ思い出してきて、なぜか怒りがっこ見上げて来る
そして、持っている剣を両手で握り直し強く握りしめ
下で騒いでいる1人の男を見る
『あいつは、確か・・・おれを殺した?やつ・・・殺された?』
怒りにまかせ、スランは剣を大きく振り上げ、その男の下に落ちて行く
そして、剣を振り下ろした・・・
切った手応えはほとんど感じなかった、ただ剣が男の体を
真っ二つにしたのはわかった
着地してからすぐに切った男が二つに割れて血を飛び散らす
それを見ていた周りの盗賊から、怒りと恐怖が混ざったような叫び声が上がった
盗賊達は剣または、弓を構え、怒りと恐怖の視線をスランにむける、
盗賊の一人が「くそがき、てめーは死んだはず、どうなっていやがるー!」
その叫びに、スランははっきりと思い出した、盗賊に追われて殺された事を
スランの体が小さく震える
盗賊の1人が、スランに剣を振り下ろしてきた
スランは、振り下ろしてきた剣をかわし、下からすくい上げるように剣を振り上げた
一瞬のうちに、男の両腕を切断して、返す剣で首を切断した
『軽い、剣が・・・体が・・・心で念じたように、動く』
一瞬で腕と首を切ったスランを見て盗賊達は、恐怖の叫びをあげながら我先にえと逃げ出した
スランは逃げる盗賊達を見て、「逃さない、お前ら全員殺してやる」と叫び
大地を蹴った、
一瞬にして盗賊をおいこしすれ違いざまに一人の盗賊を切った
切られた盗賊の体は上下に分かれ地面に転がる
残った盗賊達も、みな同じように切られ殺された
スランは、剣を振り回しながら、「スゲー、体が!剣が!思ったように簡単に動く!わーはっはっはーーー!」
「切れるぜ、人も木も簡単にー!」
スランは、木々を切りまくり
「う・・・なんだ急に視界がぼやけてきやがった、体にも力がはいらね・・・」
スランは、地面に転がった
意識はあるものの、だんだんとぼやけて行く、呼吸はすこしはやい
手に持っていた剣も手から離れ、紅く透明に輝いてた剣は粉々に砕け
チリのようになり風に飛ばされていった
そして、近づいて来る足跡がする
大地に通れ薄れる意識の中スランは、「くそ・まだいやがったのか・・・」
足音のする方になんとか視線をむけると
そこには、黒いマントとフードを被った小さな人影が見えた
首には白いふわふわした毛皮のようなものを首に巻いている
「やれやれやっと、止まりましたわね」
小さな人影は右手を自分の口を塞ぐようにして
「おーほっほーー」と笑い
「さて、運んで差し上げますわね」
「こいつ女・・・しかもがきかよ、盗賊の仲間じゃないようだが、おれをどこに連れて行こうっていうんだ」
「あーら、まーだ意識はあるようですわね、いいところに連れていってあげますわ」
また右手を口に当て「おーほっほーー」と笑う
笑い終わると、口に当ててた手を前に出し人差し指だけを立てる
人差し指のさきから青い光がでる、
その指が素早く動き、空中に五芒星を描く
そして、青く光る五芒星を両手で囲うようにして唱える
「浮きあがれ、我について来い」
スランの体が浮き上がり、マントの女の方に飛んでいく
マントの女は、また笑い「いきますわよー」
と走り出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます