第23話 準備
こんにちは。
日記というもの自体初めて書くから、どう書いたら正しいのかというのが分からない。でも日記の前でうんうん唸っていても進まないし、とりあえず思ったままに書き出してみる。タマルから「代わりに書いてください」と言われて渡された。前日までの日記も読んでみたが、タマルって凄いんだなと改めて実感する。
私の場合はタマルのように楽しい日記は書けないし、文章も読みづらい所があるかもしれないが、許してくれ。これはあくまでもタマルの日記だし、読み飛ばしてもらっても構わないくらいだ。
というか自己紹介がまだだった。私の名前はカリス。メンターである田様とは以前サロンでお会いした事があるが、覚えてるだろうか。あの時よりは見た目も変わったし、今は服も着ているから会ったとしても気づかないだろう。前日までの日記に書いてある通り、今はタマルの師匠として日々精進している。
今回の日記は、1週間かかった学園地下での実戦試験について書きたいと思う。タマルとは既に口頭で色々と伝えたが、どういうやりとりがあったかなどを詳しく知りたいのと、ついでにメンターにも教えたいという事を言われて、こうして日記を借りている。付き合ってもらえたら幸いだ。
では早速実戦試験の始まりから。と行きたい所だが、その前にまずチームのメンバーを紹介する。
まずは私、カリス。今回はチームリーダーになった。
―――
少女名 カリス
メンター 真嶋 忠志
能力
H-13-S『リバイブ』
1度だけ復活する。
A-10-R『チャージショット』
手の中でエネルギー弾を溜め、放出する。
C-09-B『アミニット』
1分間、身体能力を強化する。効果が切れると同時に死亡する。
オプション
片手溜め
『チャージショット』を肩負の手だけで溜める事が出来る
溜め移動
『チャージショット』を溜めながら移動出来る
基本戦略
後衛として移動しながらの『チャージショット』で敵を殲滅する。前衛が負傷して引かざるを得ない時や追撃が必要な時などは『アミニット』を利用して機動力を生かして攻めたり撹乱したりする。『アミニット』の1分で決着がつかない場合、『リバイブ』で復活後に撤退してまた後衛に戻る。
―――
次に私の友人であるマイ。実戦試験を一緒に受けるのは1年生の頃から約束していた。
―――
少女名 マイ
メンター 寺井 渉
能力
H-05-V『グラヴィジョン』
視界に捉えた生物や物の重さを倍にする。
A-11-I『バリア』
手の平から透明な障壁を召喚する。
C-21-G『カルキュラット』
際限なくネズミを召喚する。
オプション
意思疎通
『カルキュラット』に対して複雑な命令を下す事が出来る
耐久度上昇
『バリア』の耐久度が上昇する
基本戦略
自分からは攻めず、『バリア』を使って守りに徹する事を得意とする。前線に立って前衛をしたり、『グラヴィジョン』を使って敵の弱体化を測る。『カルキュラット』で召喚したネズミに対して「敵の足を狙う」という命令をしてバランスを崩させ、『グラヴィジョン』によって潰すというコンボも可能。
―――
次にマイと同室のトーカ。PVDO出身でメンターはいない。
―――
少女名 トーカ
メンター PVDO
能力
H-01-S『空中浮遊』
30秒間だけ空中に浮かぶ事が出来る。
A-17-T『ヒール』
触れた生物の傷を治す。
C-12-G『劣化分身』
能力を持たない自身の分身を召喚する。
オプション
なし
基本戦略
PVDO出身の汎用型。偵察、治癒、増援が可能な組み合わせで、サポート役に徹する。
―――
そして最後の1人は、ベルム先輩。タマル絡みでちょっとした因縁のある人だが、実戦試験には必ず1人だけ3年生の先輩が同行して私達の戦闘を観察するという決まりがある。
―――
少女名 ベルム
メンター 鳥山 凛
能力
H-14-V『フリ-ズ』
視界にいる対象の生物1体の動きを2秒間停止する。
A-18-I『斬波刀』
斬撃を飛ばす事の出来る刀を召喚する。
C-22-M『スライド』
一定速度で地面との平行移動が出来る。
オプション
バランス
『スライド』による移動制限が緩和され、不安定な場所でも発動が可能になる。
冷静的確
『フリーズ』の発動タイミングに優れている。
達人
『斬波刀』での近接戦闘に習熟している。
基本戦略
『斬波刀』と『スライド』を併用しての高機動戦闘がメイン。衝撃波は牽制程度に使い、基本は近接での斬撃によって1体ずつ倒していく。『フリーズ』は強敵を相手にする時か逃走の必要がある時まで取っておくが、離れている場所にいる味方のサポートに使う事もある。
―――
この4人が今回の実戦試験における私のパーティ。ベルム先輩は言うまでもなく格上だが、今回は私がリーダーだから指示しなければならない立場にある。ベルム先輩も出発前から「私はカリスちゃんに言われた事以外しないからよろしくね」と宣言していて、凄まじいプレッシャーを感じた。
それでも戦力としてはこの上なく頼りになるし、私達への評価もきっと的確だと思う。だからベルム先輩が担当になったのは幸運な事だと思う。おそらくだが。
そして今回割り当てられた任務内容は、オーソドックスな「次元結晶探索」と「ジーズ殲滅」。
舞台は東京の秋葉原。駅を中心に直径1km程度の空間が学園の地下に再現されている。覚醒者である学園長の能力はやはり飛び抜けている。人格には問題があるが、無くてはならない存在でもある。
それでは、任務を開始する。
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