第122話 氷王の指輪


 越冬隧道サハニエンテを見守る存在、ロキが俯瞰するようにとある状況を眺めている。白髪のボブカットを片手で整えながら、残念そうにぽつりと呟いた。


「やはりこうなりましたか……1人であの紛い物に挑むのならそれ相応の力を身につけるべきでしたのに」


 喋りながらテンションが落ちていくのを感じたのか、ロキは自身で胸の内を吐露するように息を吐き出して愚痴る。


「ダンジョンの内容を告げるわけには参りませんが、忠告を受け入れるくらいはしてもよろしかったのではありませんか? ……後の祭りですね、彼のアニマは身動きも取れない。ソウルを変質させることもできなければアイテムも使えない。本当に……残念ですわ、氷漬けにされたのなら死転の面はその効果を発揮しても意味はありませんのに」


 ロキは特定のプレイヤーに対して対価を元に多少の優遇措置はとれる。だがそれでも限度があり、攻略後の報酬なら兎も角攻略の手助け等以ての外だ。アキラを助けたい気持ちはあっても実際は助けるわけにもいかない。それがロキの役目でもあるからだ。


「ボスに辿り着いたことは驚嘆に値しましたがやはりここまでですか、強さを求めるのはいいです。でもその手順を間違えてしまえば待っているのはこの世界と同じく残酷な運命だけで……………………え?」


 せめてアキラの命が潰えるその時を見送ろうとその場を眺めていたロキだったが、思いもしない現象が起こる。






 リキッドマシン・ペリメウスがアキラの命が潰えると確信してその場に留まっている。鋼鉄の身体に鳥類を模した姿、そこに色素の抜けた目で今正に氷の塊の中で生を終えようとする囚われたアキラをただただ眺めていた。


『ピシッ……』


 その音はどこから鳴ったのか?


 アキラ以外に誰かが居るわけでも無く、かといってその本人にどうにか出来るわけが無い。第三者でなければ今の状況を脱することが出来ないのはこのリキッドマシン・ペリメウスが何よりも理解している。


『パキッ!』


 他の氷の音と捨て置こうとしたその矢先、今度は致命的な破滅の音が聞こえた。そしてアキラを拘束している氷塊にその亀裂が目視出来る程大きく刻まれている。


『何者だ!』


 察知出来ない第三者が何かをしようとしていると考え声を上げるが、ギシギシと氷が締まるような圧縮された音しか鳴らない。アキラを見るが、何者かが氷塊に行動を起こしているようには見えず、リキッドマシンはただ睨むことしか出来ず凍っているはずの相手に問いかける。


『……………………貴様、何をした』

「……」


 当然氷の中に居るアキラは喋れないが、視線は明らかにリキッドマシンへと向けている。


『貴様……何をしたのだ!』


 荒れ狂うようにアキラに威嚇する。だが、当の本人も困惑していたのだ。


(なんで氷にヒビが?)


 エゴが発動したなら辛うじて理解は出来るのかもしれないが、当然エゴにはなっていない。疑問を表に出さないよう敵を睨みつけていたが、困惑した気持ちを持ったままいつものポーカーフェイスで動揺を抑える。


『たった1人にも関わらず氷が……』


 呟く声を合図にアキラを包んで拘束していた氷塊は呆気なく崩れ去る。氷結の状態は身体が凍りつくことで示されるが、その様子も無い。


(出れた……)


 シヴァとヴィシュを手に置いたまま両手を見て動くのを確認する。呆然としているリキッドマシンを尻目に喉の治療のため素早くポーションを煽りながらとある指輪が視界に入る。それは指に嵌めた覚えの無い装飾が施された指輪。


(ん? この指輪って……まさか)


 アキラはゼフトから貰った透明で冷たさも何も感じない指輪……だった物と察する。確認したときは【氷王の指輪】としか書かれていなかったアクセサリーが、今は真っ青に染まり氷の冠型になっていた。雪の結晶が散りばめられたモチーフは若干コミカルに見えるがその効果は折り紙付きである。



【氷王の指輪】クラス:レジェンド

氷属性のデバフが装備者と指輪を含めて付与された場合に効果を発揮する。その戦闘中に限り、あらゆる氷属性のマイナス効果を受けなくする。戦闘終了後は元の指輪に戻る。



 アキラはそれを見てシヴァとヴィシュを握り締める。抗うことの出来ない詰んだ状況、その現実にもう駄目だと思ってしまった。心では諦めたくないと思っていても頭では無理だと考えてしまっていたのだ。だがゼフトから詫びの品として貰った指輪のお陰でギリギリ命が繋げた。


(まだ……生きていられる)


 一度に襲いかかる事実が様々な思いを募らせアキラの瞳を湿らす。だが今度は拭おうとはせず頭を振って払うだけだ。音が聞こえそうな勢いで顔を上げ、自分を殺そうとした相手を見据える。既にその目から涙は見られない。


「もうお前のデバフは俺に通じない」

『馬鹿な……一体どうやって抜け出した!? 1人であの状況をどうにか出来るわけが……貴様! 一体何を――』

『ダァン!』


 困惑するリキッドマシンにアキラは弾丸で返す。当たりはしたが、距離の関係で威力が減衰してしまうが黙らせるのには十分だった。


『グヌゥ! 人形の分際で生意気な……その命をひっそりと終えておればいいのだ!』


 アキラの視界に敵性スキルの警告が現れる。まだあるのかと一瞬、内心で思ったアキラだが即座に身構えて何が来てもいいように備えた。


『我が身は無形、流体の身にて全ての我が身を一つに! リクレイム!』


 水面が震え、所々から水が浮き上がり、リキッドマシンへと吸い込まれていく。下を流れるのは水だけではなく敵の身体の一部だったことがこのことで判明するが、そのことに気を回す余裕はない。尚も膨張を続けた結果アキラの立つ均された氷の一部以外に地面が消滅する。


(ここまでするのか!)


 アキラは足場がそこにしかないことに困惑しているが、リキッドマシン・ペリメウスの姿は更なる異常を起こしていた。外側を常に渦巻く液体は規則正しく螺旋を描くが、その内側は下へと向かって逆螺旋を描いて流れ、外側の螺旋と合流してメビウスの輪のように常に流れ続けている。その中央を羽ばたくリキッドマシンはかなり肥大化されているが螺旋の内側に篭もるようにそこを起点として収まっている。アキラが困惑しながらも試しに弾丸を放つ。


(くっそ、やっぱ駄目か)


 攻撃すると内側の逆螺旋が高速で動き、弾丸を弾く。攻撃の瞬間だけ機能していることを考えれば自動防御の類いだろう。肥大化したリキッドマシンがアキラに告げる。


『猶予など与えん! 無様に足掻き、死ぬがいい!』


 外側の螺旋が飛び出してアキラのたった一つの足場を薙ぐ。脆くも崩れた踏み場のせいでアキラには動ける場所が存在しない。水位が下がったせいでまたもや落下する。


(くっそ何回落ちれば気が済むんだよ! 何かないのか! 折角ゼフトがくれたチャンスを生かす何――)

『ヒュー!』


 アキラが重力に引っ張られて落下した時、聞き覚えのある鳥の鳴き声を耳が拾った。


(あいつ……生きてたのか!)


 それは最後に見たときより更に大きくなった“鳥”のアニマルヘルパーだった。途中で姿が見えなくなったのも何かしら理由があってアキラから離れたのだろう。


『忌々しい! 我が偽りの分身が何しに――』

『ヒュー!』


 リキッドマシンの声を無視してアニマルヘルパーがアキラへと急降下する。


『させぬ!』

『『『ダァン!』』』

『なっ』


 進路を塞ごうと螺旋を広げるが、その分防備が手薄になったせいで遠距離からアキラのクリティカルシュートが当たってしまう。距離で威力が減衰してもその威力は様々なサポートで妨害程度には機能していた。そのお陰で出来た螺旋の綻びを潜り抜けたアニマルヘルパーがアキラの肩を乱暴に掴むことに成功する。


「おぁっと」

『ヒュールル』


 落下の威力を滑空で殺しつつ再び上昇すると水の色素で螺旋を描いた液体が真っ赤に染まっていた。リキッドマシンから滲み出る抑えられない怒りが目に見える形で現れ、終わりの時が近づくのを予期させる。


「背中に乗せられるか!? ……うぉ!?」

『ヒュー!』


 任せてと言わんばかりにアキラを上空へと器用に放り投げ、一鳴き入れるとアキラも咄嗟に合わせて背中に跨がるように乗ると、両足でしっかりと挟んで身体を固定した。一端姿勢を落ち着けるとアキラはふと考える。


(こんな滅茶苦茶なボス戦なんてパイオニアだけだろ!)


 次から次へ展開が目まぐるしく変わるボス戦だが集合都市テラへ行くには避けては通れないボスでもある。もしこれと同じ展開が他の難易度でも発生するならニュースで話題にならないわけが無い。ただ強いと聞いていただけのボスと比べればやはりパイオニアという存在は一線を画す難易度なのだ。


「でもこれで終わりだ。行くぞシヴァ――エゴ!」


 アキラのソウル、その一部が形を変えアニマに影響を及ぼす。その影響は色濃くシヴァにも現れた。


「うっ……」


 急激な魂魄の変化はアキラに激痛と苦痛を与える。手に強く握るシヴァの感触が可変により厚みと重厚さを兼ね備える存在へと造り替えられる。アキラのエゴがなぜこうもハッキリとした痛みを感じるかは不明だが、以前にも増して強烈な力を手に入れられたのは事実だ。


 シヴァを握る右手が輝きだし、人の手の原型は残しつつも人体とは異なる物質に作り変わっていた。本人には見えていないが、アキラの右目もシヴァと同じルビーの宝石のように赤く綺麗な輝きを放っている。シヴァも可変が完了すると小さな大砲に近い銃身とその外角を正方形の筒が覆い、3本の赤いラインがその面全てに奔った形態に可変した。


「いくぞシヴァ!」

『ウン!』


 イドの時と同じ変わらない返事と共にその引き金に指を掛ける。アキラは何も特別なことはしない。ただ照準を外さないよう引き金を絞るだけだ。


『ドカァン!』


(回帰の泉で試したときからそうだ。この力は人が持っていい領域を遙かに超えてる。プレイヤー同士でこんな力を持ってぶつかるとどうなるのか……)


 そう、その一発は本能で使用出来るインパクトドライブと同等の銃声ものだった。


『なっ!』


 一瞬で螺旋の防備を貫き、自身へと辿り着いた凶弾の直撃は避ける。だが直撃は避けただけで掠めてしまう。その結果流体の肉体を抉るようにその軌道を如実に現れていた。シヴァで行うエゴの射撃、それはMPを消費する代わりに全ての弾丸をインパクトドライブにすること。それがエゴへと到達したシヴァの基本能力だ。そしてSTRとDEXが合わさったステータスは更に銃弾の威力を底上げする。そして説明に記載は無いが、DEXがSTRと同等の値になっているお陰で距離によって弾丸の威力が減衰することもなくなっていた。


『モット! モット!』

(もう一発!)


 シヴァのテンションが上がっているのが声でわかる。その声に従うわけではないが再び銃声が轟くと翼を貫いて更に反対の防備を貫通して弾丸は消える。


『なっ……なぜだ? なぜ攻撃が届く! 貴様はただの人形ではないのか!?』


 螺旋の流体に絶対の自信を持っていたリキッドマシンの疑問にアキラは答えずインパクトドライブで応える。


『ぐぬぅ……』

(連発は出来ないが、これだけで押し切れる! ……んな美味い話があるわけないよな)


 リキッドマシンがアキラの作った傷を元の形に再生させた。HPバーの減少は見られるが、なぜか残り3割にも満たない量にも関わらず倒せる感覚が薄い。終わりは近いと感覚が言っているが、目に見えてわかる進捗が無いのも不安材料になってしまう。それでもアキラは一定の間隔で攻撃を続けるしかない。


「おっとと」


 時々アニマルヘルパーの軌道が動くため改めて姿勢を整えるが、戦いながらリキッドマシンの攻撃パターンに疑問を持つ、地面を陥没させる攻撃が来ない理由がこのアニマルヘルパーに乗ってから止んでいるからだ。そこでもう一つの推論が立つのは容易だった。


(あの厄介な不可視の攻撃が来ないのはこいつに乗ってるからか?)


 留まっていても常に移動して的を絞らせないため、機動力だけで無く防御面でもアキラの助けになっている。シャボン玉も速度が遅いため狙いが付けられず、一方的な展開になっていた。そしてHPを削りきってもリキッドマシンが死ぬ様子はない。それどころか壊れた部分を再生すると消滅したHPが1ドット程残して復活した。


「はぁ!?」

『どうやらお前を認めねばならんようだ。だがお前に待つ運命が変わることは決して無い』


 そう告げると同時にHP一瞬で100%になり復帰する。


「!」


 戦闘は振り出しに戻ってしまった。通常なら絶望する所だろう。足掻いて活路を見出す場面かもしれない。だがアキラは驚きの中他に何か無いのかと視線を巡らせていた。そして気づく。


(確かに螺旋は短くなった)


 驚いたのはHP回復だけではない。それに合わせて減少した螺旋の長さもそうなのだ。


(攻撃に使えて防御も賄えて回復にも転用出来る。ならその螺旋、吹き飛ばしたらどうなる?)


 今のシヴァにエゴを長時間維持出来る力は無い。そしてエゴが解除されれば相応の反動をアキラは受ける。ソウルが定着していないため、悠長にHPを削りきる余裕が無いのだ。そのため一度エゴにしてしまったのなら短期決戦に持ち込む他無い。


(あれ・・がどの程度強力なのか、察しは付く。試すわけにもいかなかったからどうなるかわかんねぇけどやるしかない!)


 覚悟を決めたアキラはアニマルヘルパーの背を軽く叩いて告げる。


「頼む、あそこに連れて行ってくれ」

『ヒュー!』


 アキラが示したのは螺旋の中心、そしてリキッドマシンの真ん前である。アニマルヘルパーはそんな指示に臆すること無く同意の鳴き声を上げ、ジグザグの軌道を描きながら急接近した。


 そして……


「ごめんな! よっ」

『何をするつもりかと思えば、自ら命を差し出すとは……』


 アキラは謝りながら、アニマルヘルパーの背から飛び出していた。そのことにリキッドマシンは見当違いの予測を口にする。


「いつまでもお前の鳥頭で物を考えるのは止めるんだな!」

『死ねい!』


 ペリメウスが氷の針を飛ばしてくる。そのサイズはイマジナリーブリザードの氷柱つららを彷彿させる程大きい。だがたった1本、それが限界だった。静止した状態から即座に射出されたそれは視認できるほど遅くはない。


「っらぁ!」

『っ!』


 しかしそれでもアキラはジャストのタイミングでヴィシュを使って弾く。たった1本に絞って防ぐことに集中すればこの程度は造作もないのだ。そしてリキッドマシンに近づくとタイミングよく螺旋が防衛行動に出る。


 同時にアキラの望んでいた最大の好機でもあった。


「エグゾースト――」


 落ち始めた一瞬の刹那で交わされた攻防、そして螺旋の防御壁に突き付けた銃口、完全に捉えたと感じたアキラはエゴのスキルを使うためスキル名を口にする。それと同時にシヴァの銃身を覆う正方形が広がり膨大な熱量が解放され白い蒸気が沸く。


『黙れ!』


 だがそれを許さず再びアキラの喉へと小さな針が飛ぶ。集中していてもアキラが重要な場面で二度同じ攻撃を受けるわけがない。しかし空中にいるためヴィシュで氷柱を防いだ後ではシヴァしか防ぐ手段がなく、それをすればスキルはキャンセルされて落ちるだけだ。


 ならどうするか……


「かはっ」


 アキラは防御を捨て針で喉を貫かれる選択を取るしかなかった。


 スキルを使うには声で言う他に、確固たる意思をもってすれば使用可能だ。だからこの結果は当然とも言える。


(――ブレイカー!)


『カチィン……』


 その撃鉄の起きた音は弾切れであることを予感させる程優しい……銃声・・だった。


 アキラとリキッドマシン、そしてアニマルヘルパーの聴覚から音が消される。時が止まったのかと思う程の一瞬の静寂、その原因はシヴァが周囲の空気をその身に圧縮したせいだ。そして新たに音の世界を認識した時、耳に届いたのは空間の破裂する音だった。


『なっ貴様!』


 だが銃口の向きはリキッドマシンではない。螺旋の防壁に突き付けながらも向けたのはその頂点、そして空間の破裂音の正体はその爆発だ。未だに連続して爆発を続けるシヴァの弾丸、エグゾーストブレイカーを使って発射された弾丸は近くに居る物全てを破壊に導く破滅の弾丸だった。


 そして中央から端に掛けて半分の螺旋が燃やし尽くされる。


「ぐっ」


 そのためアキラも反動を免れることが出来ない。使用の対価として3割のHPが減少する。そしてその反動も凄まじく、アキラは今までに経験したことのない速度で吹き飛んでしまった。だがまだ終わりでは無い。


(まだ半分!)


 そして狙い通り反動で吹き飛んだ矢先にあったのは逆螺旋の折り返し地点だった。喉から出血しているが最早関係ない。やることは決まっている。


(もう……一発! エグゾーストブレイカー!!)


 乾いた銃声が木霊する。一瞬のタッチの差、だがクイックIIによって引き延ばされた体感時間が狙いを付ける十分な時間を与えてくれた。


『……ォォオン!!』


 遅れて聞こえる爆発の連鎖、そして全ての螺旋を文字通り消滅させた。アキラが更に勢いを付けて落ちるが、すぐさま旋回してきたアニマルヘルパーにキャッチして貰う。それに安心しながら視線をリキッドマシンに戻すと驚愕の現象が待っていた。


『おのれ……おの…………れ』


 アキラは気づいていなかったが、螺旋を吹き飛ばした時点でリキッドマシンのHPは半分消えていたのだ。そして残りの螺旋も吹き飛ばした結果HPは全損し、回復すらしていない。リキッドマシンの身体は溶け始め、壊れた機械のように言葉を繰り返している。


 リキッドマシン・ペリメウスの正体は流体金属全てだ。だがそれでも実質壊れることの無い流体金属を更に螺旋を描いて無限に循環させることで恒久的に活動を可能にしていたが、その動く螺旋自体が流体金属を動かす源でもあった。その螺旋も少し残っていれば活動を再開することができたのだが、アキラの思いもがけない攻撃とその強烈な弾丸が一瞬で全てを破壊しつくし、この越冬隧道サハニエンテのボスを終わりへと導く結果になる。


「お、終わった……のか?」

『ヒュー!』


 指輪を確認すれば王冠の形をした指輪は既になく、透明なプラスチックのような指輪に戻っている。それは戦闘が一つの区切りを迎えたことを示していた。


 最初で最後のダンジョンの敵でありボスでもあるリキッドマシン・ペリメウス、その環境を駆使し、搦め手で追い詰め、死を覚悟させられ、自身をも欺く戦法はアキラの戦ってきた中で間違いなく最強の存在として心に刻まれる。


 そしてペリメウスをモデルとして作られた本当の人形・・は溶けて無くなり、氷の塊を残してその活動を、紛い物としての運命を完全に停止した。

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