第22話sechs 3

「じゃあパートの面接に行ってくるから・・・・・」


いつも通り体育座りで私の事を監視しているにひとに声をかける。


「ママどこに行くのですか?」


「面接だって」


「面接ってなんですか?」


「面接はぁ~・・・・・・・・・」


めんどくさいっ!

なんでこれから大事な面接があるって時に、コイツに対して丁寧に教えなくてはならないのかっ!



「面接は人と会うの!じゃあね!」


「ま・・・・」


にひとの話し声が聞こえてきたけど、そのまま扉を閉め鍵をかけた。

働く工場まで歩いて30分位の距離。

今は昼間だからバスがあるけど、勤務する希望の時間帯は夜中。

行きは乗れるけど、仕事が終わる午前6時にはまだバスは走っていない。


自転車でも買っちゃおうかな~。

・・・・・・面接に受かればね。



工場が近づくにつれて、どんどん脈が早くなる。


マタ アノ時ミタイ二 遊バレタラドウスル?


嫌な思い出が蘇って来る。


・・・・・・違うっ!バカ!

これから面接に行くの!そんな余計な事なんて思い出さなくてもいいっ!



早く嫌な思い出が頭の中から消えるように、必死に頭を両手で叩く。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る