第20話sechs 1

ここはにひとが生まれた研究所。

私はにひとの産みの親。

毎日にひとがいつ本来の目的を遂行してくれるのか?と待っている所なんだけど・・・・

このお金はなんなのかしら・・・・・・。

いつもにひとが持ってくる謎のお金。

それは小銭だけの日もあれば、ボロボロの1000円札だったり時にはとても高額だったり。



「このお金どうしたの?」


そうにひとに問いかけると、


「これは母が幸せになる物です」


そう答えた。



「私の幸せは邪魔者を殺す事でしょ?どうしてこうなっちゃったの?

貴方に教えたこと忘れてしまった?」


もう一度にひとに本来の目的を教え込んでも、


「母はお金が沢山あれば幸せになれるのです」


にひとはそう答え、再び消えてはまたお金を持ってくる。


「ダメね。完全にエラーを起こしてしまっている。

一度メンテナンスし直さなくちゃ」


にひとの事を捕獲しようとしても、所詮はロボット。

強い力で拘束を打ち破り、


「ママに充電してもらってきます」


と言い、帰っていく。

あの子がママね・・・・・・。

出来損ないので生きる事を誰にも望まれていない失敗作のあの子の元に、同じく本来の目的を忘れたポンコツロボットが帰っていくなんて、なんて滑稽な話だ。

私の邪魔になる失敗作は、消さなければならない。

次の手を考えなければ。

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