第20話sechs 1
ここはにひとが生まれた研究所。
私はにひとの産みの親。
毎日にひとがいつ本来の目的を遂行してくれるのか?と待っている所なんだけど・・・・
このお金はなんなのかしら・・・・・・。
いつもにひとが持ってくる謎のお金。
それは小銭だけの日もあれば、ボロボロの1000円札だったり時にはとても高額だったり。
「このお金どうしたの?」
そうにひとに問いかけると、
「これは母が幸せになる物です」
そう答えた。
「私の幸せは邪魔者を殺す事でしょ?どうしてこうなっちゃったの?
貴方に教えたこと忘れてしまった?」
もう一度にひとに本来の目的を教え込んでも、
「母はお金が沢山あれば幸せになれるのです」
にひとはそう答え、再び消えてはまたお金を持ってくる。
「ダメね。完全にエラーを起こしてしまっている。
一度メンテナンスし直さなくちゃ」
にひとの事を捕獲しようとしても、所詮はロボット。
強い力で拘束を打ち破り、
「ママに充電してもらってきます」
と言い、帰っていく。
あの子がママね・・・・・・。
出来損ないので生きる事を誰にも望まれていない失敗作のあの子の元に、同じく本来の目的を忘れたポンコツロボットが帰っていくなんて、なんて滑稽な話だ。
私の邪魔になる失敗作は、消さなければならない。
次の手を考えなければ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます