第2話 螺衣の一本ヅゥウウリィイ!

 始業式の最中、体育館のドアが開けられ、見知らぬ不審者が侵入してきた。

 その危険な人物から生徒を守るために、三人の先生が彼の元へと向かう。

 戦いの合図は法螺貝。そして不審者は法螺貝を鳴らし、戦いの幕が開ける。


「東雲高校に侵入してタダで済むと思うなよ」と雅突がとつ先生が脅す。


「ワハハ~たーのしー!!」と不審者が笑う。完全に見下してやがる。


 相手は一人、対してこちらは三人。人数的に言えばこちらが圧倒に有利。

 だが……どんなにシミュレーションをしても、教師三人があの不審者に勝つ光景が想像できない。別に三人が弱いと言っている訳ではない。むしろその逆だ。

 あの不審者の正体は――


 俺の親父だ。


 残念ながら、幼少期から一緒に住んでいた俺だからこそ分かることがある。

 認めたくはないが、俺の親父はそこらのただの教師じゃ勝てない……。


「生徒たちは俺ら教師が守る!」「ミーの拳が炸裂!」「率直に……倒すよ」


 最初からクライマックスだ。教師三人が闘志をまとう。


「ぽよよ~ん! 三人はまるで荒れ狂う波だじぇじぇじぇ!!」


 先に動いたのは雅突先生だった。そのあとを追うようにミゲル先生とレオ先生が参戦する。彼らは息の合った動きで交互に拳を不審者へと喰らわしていく。

 相手に休む暇を一切与えない動き。信頼している教師陣だからこそなせる業だ。


「おっほ~い! いいね。まるでオホーツク海だよ!」


「な、なんだこの男の動きは!?」「ミーのパンチが一発も当たらない!?」


 しかし、俺の親父はその洗練された動きのさらに上を行く男だ。

 まるで波の身を任せる魚のように、彼はどんな拳をよけていた。

 やがて三人で遊ぶことに飽きた父は、反撃に一手へと出る。


「必殺ゥウ~! オクトパス・キャッチ!」


「「「なに!?」」」


 彼は懐から釣り糸を取り出し、物の数秒で三人の動きを封じ込めた。

 こうなっては雅突先生、ミゲル先生、レオ先生の三人は無力だ。


「クソッ、生徒を守るのが先生の役目。こんなところで負ける訳には」 


 糸から逃げようとしていたが、足掻けばあがくほど締め付けられる。

 結局、彼らは糸から抜け出すことはできず、不審者の勝利で幕を閉じた。

 

「さーてさて、俺の息子はどこじゃろにゃー、顔も覚えとらんわ。ワハハハ」


 親父の漁業で鍛え上げられた肉体は、衰えることのない芸術そのもんだ。

 俺と最後にあったあの日から今日まで、彼はおそらく船に乗り続けている。

 あの時よりも強く、あの時よりもたくましく、あの時よりも最強だ。

 教師陣は負けて悔しいだろうが、負けることは最初から確定していた。

 この学校で親父に勝てる人間がいるとすれば、熊谷先生だけだろうな。

 

「どこかなー。どこかーな~なーもんじゃーぱにーず。息子はうぇ~~い」


 生徒を守ろうとした存在は敗北した。生徒たちの不安がさらに増していく。

「怖い」「あれは誰?」「教師が倒された!?」「どうしよう……殺される」

 ざわざわ、と不穏な空気が漂い始める。殺されはしないと思うが……。

 不安を抱える生徒たちを安心させるために熊谷くまがや校長がマイクを握る。


「静粛に! その男は不審者ではないので安心したまえ!!」


「え、そうなの?」「新しい教師?」「変な格好……」「美術の先生かな?」


 校長の言葉で生徒から不安が少しずつ消えていった。他の生徒・・・・からは。

 この体育館にいる300人の中で、多分俺の中からはまだ不安が消えていない。

 熊谷校長は彼を不審者ではないというが、明らかに誰がどう見ても不審者だろ。

 いきなり始業式に現れた。アロハシャツに褌姿。釣り糸で教師を縛り上げる。

 これを不審者と言わずになんという? 普通なら間違いなく警察沙汰だ。

 収集がつかないこの状況。解決すべく熊谷先生がようやく動き出した。


「久しいな大輔」


「お~熊谷っちじゃ~ん」


 え!? この二人は知り合いなのかよ!? おいおい、マジかよ。

 俺は親父から逃げたくて、わざわざ東京の東雲市に来たのに……。

 どこへ逃げても無駄。俺は親父から逃げることはできないのか。

 ちょっとショックだったが、落ち込んでいる間も二人の会話は進む。


「東京都東雲市東雲高等学校の始業式をぶち壊しにして、何が目的だ?」


「ワハハッ安心してカニミソー。息子を見つけたらすぐに出て行くからさー。ごみんごみん。ちーと、探してんだよねー、坂凪螺衣と言うヒューマンを」


「そうか」


 不審者がその名前を口にした瞬間、俺を知る生徒の視線が一気に俺へと集まる。

 もちろん俺のそばにいた千刃里もこちらを見ている。頼むから俺を見ないでくれ。


「螺衣くん。もしかしてあの不審者が探している人物って……螺衣くんのこと?」


「……悪夢だ」 


「螺衣ボーイはどこかな~??」


「「「「「「「「「「「←んっ」」」」」」」」」」」


 生徒どもは一斉に俺の方へと指を指した。こうして無事に見つかってしまう。

 俺を見つけ、喜びのあまり、親父の顔が笑顔から超絶笑顔へと変貌する。


「おぉ~螺衣じゃ~ん。おひさしぶりーふ。ぶりじすとーん!」


「いいえ、他人です」


 見つかってもなお俺は抗った。顔を俯かせ、他人のフリをする。

 彼は俺を探している。そして、それはおそらくロクなことではない。

 世界を回っていた頃、今と同じような出来事が何度かあった。

 親父は学校に突然現れ「転校だ!」と口にして俺を拉致する。

 きっと今日もそんな理由だろ。だがな、俺はもう子供じゃねーんだ。

 意地でも東雲高校からは離れないからな。


 ここは俺が理想とする高校!


 俺の居場所!


 そして俺のオアシス!


 なんと言っても友達が一人いる!!


 これは奇跡だ。今までできなかった友達がここではできた。

 最高の居場所なんだよ。俺は大切な居場所を壊されたくはない。

 一人暮らしもできている。転校する必要なんてどこにもない。

 高校二年生にもなって、ようやくこれから楽しい学園生活。

 だからこそ、掛け替えのない全てを奪われる訳にはいかない。


「ほほ~い。まさにハッピー、螺衣が見つかったのですー!」


「他人です」


「それじゃフィッシャーズ・ハイッ!!」


「他人だって言ってんだろ!!」


「いやいや~ユーはマイ息子ね~! 必殺・ぱくぱくDXフィッシングゲーム!」


 彼は褌の中へと手を突っ込むと、中から長ーい竿を取り出す。

 あ、竿と言ってもアレではなく、魚を釣るための本物の竿だ。

 決してあの竿ではない。そもそもどこから出したんだよ!?


「って、そんなことを気にしている場合ではない! とりあえず逃げなきゃ!!」


 親父は釣りキチ三平ばりに竿を振った。勢いよく迫りくるのは大きな釣り針だ。

 あれで俺を引っ掛けて釣り上げるつもりだな。だが、そうはいかないぞ!!

 

「申し訳ない名も知らないクラスメイトよ! 俺を売った罰だ!!」


「えっ!?」


 俺は自分を守るため、隣に立っていた生徒を自分の前に突き出して盾にした。

 親父が投げた釣り針はそのクラスメイトの制服の袖に引っかかる。


「一本釣~~~り!」


 親父は手加減など考えることなく思いっきり上の方へと引っ張り上げた。

 

「ギャフゥウウウン!?」


 生徒の体が高く飛ばされる。それが息子ではないと知った父はリールを回すことなく、そのまま生徒を天井の方へと飛ばしていく。生徒は怯え、反射的に体育館の天井にある鉄骨へとしがみつく。

 ここから天井までは15メートルだ。落ちれば怪我をする。だが、申し訳ないが、今は生徒のことを気にしている時間ではない。俺は次々と生徒を盾にする。


「一本釣~~~り」


「アヒイイイイイ!?」


「一本釣り~!」


「ドバビィイイイイン!!」


「む~。あれもこれも、全部螺衣ではない。思い通りいかない。それもまた釣りの楽しさ。釣って釣って釣りまくる!! そこに魚がいるかぎり!!」


 人間釣りを楽しんでいる親父とは裏腹に、天井に掴まる生徒は泣いていた。

「掴む力が……」「握力が……」「落ちる……助けて」「怖いよぉおお」

 俺のせいでこんなことに。彼らの叫びを聞けば聞くほど心が痛んでいく。

 自分でもどうすればいいか分からない。だって俺だって必死なんだよ。


「螺衣くん!? な、なんで人が突然飛んでいくの!? 反重力かな!?」


 隣にいた千刃里は目を見開き、ものすごく驚いたような表情をしていた。


「反重力? お前は何を言ってんだ? あのクソ親父が生徒らを釣ってんだろ」


「釣ってる? 何それ?」


「釣りだよ。お魚釣りのアレ。親父が持ってんじゃん、あの釣竿」


「え……? 何も見えないけど。螺衣くんは何を言ってんの?」


「何を言ってんだはこっちのセリフだ。見ないのか、あの竿が?」


 千刃里は目を凝らして親父の方へと視線を向けるが――


「む~何も見えないよ」


「あの不審者は見えてんだよな?」


「え? あたりまえじゃーん! 千刃里、そんなに目が悪くないよ」


「……」


 彼女の発言や行動にも違和感を覚える。さすがにこれは天然を超えている。

 どういうことだ……? 

 疑問を浮かべていた瞬間、キャァアアアアアアアアアアア! と言う女性の叫び声が天井の方から聞こえてきた。


「ついに時が来てしまったかっ」


 咄嗟に視線を向ける。天井に掴まっていた生徒たちが落ちようとしていた。

 下では生徒たちが受け止めようとしているが、15メートルから落下してくる人間は相当重い。これでは落ちてくる側も、受け止める側も怪我をしてしまう。


「……」


 俺も何かをしようと思ったが、生徒の群れから抜け出すことはできなかった。

 今ここから出れば、親父に居場所を教えているようなものだ……。

 情けない話だ。やっぱり俺は人間なんだ。自分が可愛いんだよ。


「助けてぇええええ!」「おい! そっちだ!」「どうしよう!!」


 やがて生徒たちが落ちてくる。数人の正義感溢れる生徒が受け止める準備を――

 

「全員下がってて! ここはラブリーエンジェル伏見ふしみ理美りみにお任せだよ!!」


「なに!?」


 何者かが俺を横切った。ピンク色の髪を持つサイドポニーをなびかせた女子生徒だ。彼女が高く飛び上がる。両手を掲げた瞬間、床に砂鉄のカーペットが現れた。

 それはまさに超能力だ。この高校に多く在籍する能力者が――皆を助ける。

 こんなにもすごい力を、こんなまじかで見たのは初めてだった。

 唖然。感動。衝撃。俺は力のある存在とない存在の壁をこの身で感じた。

 人を救えるのは、まずは自分の安全を保障できる強者のみ。

 彼女は力を使い、落ちてくる生徒を受け止める。おかげで直撃した生徒はゼロ。

 

「ぐへっ……」


「……ん?」


 いや、ゼロではなかった。一人だけ体育館の床に激突した人物がいた。

 アレはたしか、一年生の頃に同じクラスだった桜咲日々喜ってヤツだ。

 能力者――ではなさそうだな。力があったら普通に落ちないか。

 彼は勢いよく立ちあがり、尻を抑えながら怒鳴り始めた。


「おい理美! なぁああんで俺を受け止めないんだよ!! 怪我したらどうする!」


「え~? 別にびっきーなら死なないでしょ。そもそも不審者に釣られる方が悪い」


「釣られたクマー」


 あの二人は相変わらず仲が良さそうだな。普通では絶対に相容れない存在。

 日々喜は弱者で、理美は強者だ。

 ただ、彼らは幼馴染なので、どんなに力の差があっても仲がいいらしい。

 俺も嘗ては同じクラスではあったが、友達だった訳ではないので詳しくは知らない。喋ったこともない。あ、でも、朝の挨拶くらいならしたことはある。


 まぁ、あの二人はどうでもいいとして、罪のない生徒が全員無事で良かった。

 考えてみれば、ここは多くの能力者が登校する学校なんだよな。

 天井から落ちて怪我をする生徒の方が少ないと思う。


 それに先生方が一切助けようとしなかったのは『生徒が助かる』や『生徒が助ける』と確信していたからだろう。生徒を信頼していたからこそ何もしない。

 ただ、能力の覚醒は人それぞれ時期が異なるので、俺みたいに高校二年生になっても能力がない人間もいる。そんな人間が落ちたらどうすんだよ……。

 今回は伏見理美さんがいたから誰も怪我をせずに済んだものの。

 彼女がいなかったら誰かが傷ついていたかもしれない。

 あのクソ親父はそんな常識的なことも考えられないのかよ。


 本当に迷惑だな。


 迷惑極まりない。


 クソ親父は昔から自由人で、人のことなんて一切考えないクソ人間だったが、今回の件はその比じゃない。さすがに度が過ぎている……。


「ねぇ、螺衣くん」


「なんだ千刃里?」


「襟がなんかテントになってるよ?」


「テント?」


 恐る恐る首の後ろの方へと手を伸ばす。そして――触れる。冷たい針の感触。


「最後に訊くが、千刃里はこの針が見えてないんだよな」


「針? 何それ」


「そうか」


 他人の心配をしている場合ではなかった。無駄なことを考えていたせいで、自分の襟に釣り針が刺さっていることに気が付かなかった。最悪だ。最悪すぎる。


「これはテントじゃかうて、釣り針に引っ張られて張ってんだ」

 

「よほほよ~ん! これは大物の与患者よ~!!」


 親父はニコッとほほ笑み、竿を思いっきり上の方へと引き上げた。

 俺の体は他の生徒と同じように勢いよく上昇して宙に浮いてしまう。


「螺衣くんまで!? 反重力!! どういうこと!!」


 どうもこうもねーよ。俺は親父の針に引っかかって釣られてんだよ。

 空中での方向転換は不可能。俺はまるで波の飲まれたイソギンチャクだ。

 しかし、俺の場合は他の生徒とは違う。親父はようやくリールを回す。


「これぞまさに、螺衣の一本ヅゥウゥウウウウリィィイイイイイイイ!」


「親父の思い通りにさせねーよ!!」


 最後のあがきで天井の鉄骨へと手を伸ばしたが――掴むことはできなかった。

 親父のリールを回す速度は究極的な速さだ。俺の反射神経を超えていた。

 俺の体はシャコの強烈パンチ並みの速さで彼の方へと引き寄せられていく。

 彼は両手を広げ……俺が突っ込むと普通の親子のように力強く抱きしめた。


「会えてハッピー、螺衣との再会。笑顔満点スマイル? ユーもハッピー?」


「……」


 何にも嬉しくない。

 つーか、相変わらずその訳の分からない喋りは健在なんだな……。

 俺を受け止めた親父は、米俵を持つ要領で抱きかかえた。

 彼は長い竿を褌にしまう。だからどこにしまってんだよ。四次元褌かよ。

 目的の人物、つまり俺を無事にキャッチした彼は任務を達成する。


「んじゃま、熊谷ピーポー&先生ピーポー&生徒ピーポー迷惑かけて申し訳ないしとーる。螺衣は転校するんで。寂しさサンシャイン、バイバイビー」


「待て大輔! もう少しここに居座るつもりはないか?」


「ねいねー。時間稼ぎしても無駄だよ。ミーはもう逃げるからね~~~」


 外からはパトカーのサイレンの音が聞こえる。誰かが通報したのか。

 熊谷先生が親父に好き勝手させていたのはこれのタメだったのかも。

 時間稼ぎが目的ならなんで校長直々に親父の相手をしないんだよ?


 ……あ、うん。


 考えてみてすぐに理解した。親父と熊谷校長が戦えば体育館が滅びる。

 足止めが目的なはずが、いつの間にかガチの勝負になり……。

 そうなれば多くの生徒が傷ついてしまう。だからあえて手を出さないのか。

 

「警察を呼ぶなんてひどいなー」


「始業式をぶち壊しにしたお前の方が酷いと思うのだが」


「アハハッ、そうだね~。まぁ、いいや。それより今、逮捕される訳にはいあないんだよねー。すでに指名手配されちゃってる訳ぞなもしー。カッコ笑い」


 おいおい、今の発言マジかよ。親父はいったい何をしやがったんだよ。

 前々から近い将来何かしらやらかすと思ったが、それが現実のモノとなってしまったのか。親父が罪人だなんてやめてくれよ。誤解……だよな?

 真相は分からないが、彼の発言が誤解であると信じたい。いや、マジで。


「んじゃ、バイビー」


 彼は俺を抱えて体育館を後にした。

 俺には逃げる力もない。抗う力もない。このまま親父に拉致されるのか。

 いつもと変わらず、いつもと同じように……。

 ハァー。人生なんてオワコンだ。ようやく手に入れた平和が崩れる。

 こうなったら、抵抗するだけ無駄だ。得策ではない。俺は逃げることを諦めた。


「螺衣くん!!」


「千刃里……」


 最後に見えた顔は、心配そうな表情でこちらを見つめる千刃里の顔だった。

 せっかくできた大切な友達が、徐々に遠のいていく。

 悲しいな。本当に悲しいよ。所詮俺の涙も広い海の一滴に過ぎない。

 

「にゃ~ははっ~。なぁ、螺衣。お前も重くなったな」


「『重くなった』じゃまるで俺が太ったみたいな言い方じゃないか。俺は成長したんだよ。身長も伸びたし、体も大人っぽくなった」


「ワハハハハー。まぁ、どうでもいいや」


 よくはねーだろ。お前はもっと自分の息子に興味を持てよクソ親父。

 

「なぁ、螺衣」


 低いトーンで俺の名前を呼ぶ。なんとなく真剣さが伝わってくる。

 親父にしては珍しいな。何かシリアスな話でもあるのだろうか。


「なんだよ? そんな改まった言い方して」


拘束こうそくするぞ」


「ハァ?」


「違った。縛るぞ」


「いや、意味は同じだろ! なんで言い直すんだよ!」


「暴れられたら困るから!!」


「ナッ!?」


 彼は走りながらポケットの中から釣り糸を取り出した。その糸は三人の教師を縛ったものと同じだ。一度縛られれば逃げることはできない特殊な糸だ。

 マグロやサメですらも釣れるほどのポンド数のある釣り糸。

 俺の計算では今は彼に従い、隙が出来たら逃げ出すという物だった。

 しかし、一度縛られてしまえば逃げることはできない。

 そしてもちろん今の俺は無力だ。だから俺はいとも簡単に縛られてしまった。

 それでも俺は希望をすれない。きっと逃げ出すチャンスはあるはずだ。

 このままクソ親父の勝手な行動に従うほど俺は子供じゃねーんだよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る