第4話 同胞との接触
こちらに来たアバターは、やはり人間を殺そうとするアバターであった。
重厚な装備に身を包み、武器はハルバード。さらに、トカゲ型モンスターを多数引き連れている。
ビーストテイマーかと思われたが、どうやらジョブに関係なく引き連れているようだ。
「敵は複数か、だが、馬と雷属性で一気に片付ければ勝てる相手だ!」
「貴様!? 一体何をする? 我々の目的を忘れたのか!?」
――サークル
6本の爪に青い雷が迸る。敵はどっしりかまえ、ブルーサンダーごと切り裂かんとしてハルバードを振りかざす。同時に、トカゲモンスター達が一斉に飛びかかって来る。
「おせえ!!」
青い光の閃光となった俺達は、トカゲモンスター達を弾き飛ばし一気に加速。重装備アバターのハルバードを弾き、その身体を爪で切り裂く。そして旋回しながら爪の一撃を確実に当て続け、最後にスキルバーストを決めて倒しきる事が出来た。
「やっぱ、穏便に済ます事は出来なかったか……」
敵対したとはいえ、同胞のHPを0にして行動不能にしてしまう事は堪えるらしい。
色素がモノクロになった自分達の存在を見ていると、所詮自分達が作りものでしかない事実を思い知らされるそうだ。
「
――だろうな。だがそれが狙いでもある――
「どういうことだ?」
――あのお方は姿を現さず、頭の中に話しかけて来るだけだ。俺だけじゃねえが、得体の知れねえ奴に従う気はねえ。俺らがこうして意に反する行動を取れば、その内尻尾を出すんじゃねえかと思ってな……――
「なるほど、そういうことか……」
――でもまあ、何でこうも素直に従う連中ばっかなんだろうな……――
確かにそうだ。
まさかとは思うが、殆どのアバターが俺達日本人をベースにしているせいで、前時代から刻み込まれている"同調意識"がヘタに働いているせいじゃねえよな? 何でもかんでも周りに合わせるのは自分の意思が無いのと同じだ。
その後、
問題があるとすれば、全員馬に乗って暴走族のように移動して現場に駆け付ける為、目立つ目立つ。
しかし、そんな事を気にしている暇もねえし、写メに撮られようがネットに流されようが関係ない。
人の命が掛かっているのだ。まあ、実際はアバター襲撃のせいで日本全体が暗い雰囲気に包まれている。そんな状況下で、ツイッター等のSNSに写真がアップしされるのは災害状況を伝える時ぐらいだ。
だが、どうにも出現したアバターの数と、俺達が討伐したアバターの数が合わない。俺達が倒した数以上の人数が降り立っている筈なのに、痕跡が消えている事が多々あった。
後になって気付いたが、討伐したアバターの身体は跡形もなく消え去っている。
アバターはアバターを、HPをゼロにして倒す事は出来ても、その存在を消滅させることは出来ないらしい。そこはゲームの概念に縛られているみたいだな。
だとすると、俺達以外の誰かが、アバターを倒していることになる。
そして、もう一つ気になっていたことがある。
パルクール部員に連絡を取り
そういえば、あれから一度も会っていない。まさか、何かアバター関連の事件に巻き込まれていなければいいんだが……。
「お前らか!! 最近巷で暴走している馬暴走族は!!」
しかし、そんな心配は意外な形で杞憂に終わった。
なんと、その
アイツのアバターは、緑色の軽装備に、双剣をメインウェポンとした出で立ち。名前はナミヲ。
たまに一緒にクエストに参加して、
「って……
「いや、それはこっちの台詞だ! お前こそ何でその……ナミヲだよなそいつ? なんで一緒にいるんだ!?」
お互いに驚いた様子を隠す事はしなかった。しかも、
「あれ!?
「朱里先輩!? あれ、鼓太郎先輩と英人先輩まで……てか部活のメンバーだらけじゃないですか!?」
朱里がいつもと変わらない態度で
「失礼、貴殿は
ナミヲが訝しむように
「おう、久しぶりじゃねえか、ナミヲ。こんな形で再会出来るとは嬉しいぜ」
「俺も同じだ。まさかお互いプレーヤーと協力関係を築いているとは、流石だぜ」
お互いに闘志に溢れた笑みを浮かべつつ、視線と視線で会話をし始めた。取りあえず、敵対することはないみたいだが……。
「
どうなるんだ俺達?こちらに来たアバターは、やはり人間を殺そうとするアバターであった。
重厚な装備に身を包み、武器はハルバード。さらに、トカゲ型モンスターを多数引き連れている。
ビーストテイマーかと思われたが、どうやらジョブに関係なく引き連れているようだ。
「敵は複数か、だが、馬と雷属性で一気に片付ければ勝てる相手だ!」
政宗の合図と共に、ブルーサンダーが重装備アバターに向かって駆ける。そして、政宗が手を翳すと手甲爪刀が出現し両腕に装着される。
「貴様!? 一体何をする? 我々の目的を忘れたのか!?」
「サークル伊達軍筆頭、政宗。悪いが弱い奴らをいたぶる趣味はねえ。アンタには悪いが、倒されてくれや!!」
6本の爪に青い雷が迸る。敵はどっしりかまえ、ブルーサンダーごと切り裂かんとしてハルバードを振りかざす。同時に、トカゲモンスター達が一斉に飛びかかって来る。
「おせえ!!」
青い光の閃光となった俺達は、トカゲモンスター達を弾き飛ばし一気に加速。重装備アバターのハルバードを弾き、その身体を爪で切り裂く。そして旋回しながら爪の一撃を確実に当て続け、最後にスキルバーストを決めて倒しきる事が出来た。
「やっぱ、穏便に済ます事は出来なかったか……」
敵対したとはいえ、同胞のHPを0にして行動不能にしてしまう事は堪えるらしい。
色素がモノクロになった自分達の存在を見ていると、所詮自分達が作りものでしかない事実を思い知らされるそうだ。
――政宗、いいのか? このまま同胞を狩り続けるとあの方って奴に目を付けられるんじゃ?――
「だろうな。だがそれが狙いでもある」
――どういうことだ?――
「あのお方は姿を現さず、頭の中に話しかけて来るだけだ。俺だけじゃねえが、得体の知れねえ奴に従う気はねえ。俺らがこうして意に反する行動を取れば、その内尻尾を出すんじゃねえかと思ってな……」
――なるほど、そういうことか……――
「でもまあ、何でこうも素直に従う連中ばっかなんだろうな……」
確かにそうだ。政宗や伊達軍のように、神界と神と思われたこの現実世界の現状を目の当たりにして、疑問を抱き、人間を攻撃することを躊躇うアバターがもっと多くいても良い筈だ。
まさかとは思うが、殆どのアバターが俺達日本人をベースにしているせいで、前時代から刻み込まれている"同調意識"がヘタに働いているせいじゃねえよな? 何でもかんでも周りに合わせるのは自分の意思が無いのと同じだ。
「おっと、流石に馬鹿デカえ音出し過ぎたな。皆と合流するぞ」
――ああ――
その後、政宗と俺が率いる伊達軍は、現実世界に訪れては人間を殺そうとするアバターを討伐して回った。
問題があるとすれば、全員馬に乗って暴走族のように移動して現場に駆け付ける為、目立つ目立つ。
しかし、そんな事を気にしている暇もねえし、写メに撮られようがネットに流されようが関係ない。人の命が掛かっているのだ。まあ、実際はアバター襲撃のせいで日本全体が暗い雰囲気に包まれている。そんな状況下で、ツイッター等のSNSに写真がアップしされるのは災害状況を伝える時ぐらいだ。
だが、どうにも出現したアバターの数と、俺達が討伐したアバターの数が合わない。俺達が倒した数以上の人数が降り立っている筈なのに、痕跡が消えている事が多々あった。
後になって気付いたが、討伐したアバターの身体は跡形もなく消え去っている。
アバターはアバターを、HPをゼロにして倒す事は出来ても、その存在を消滅させることは出来ないらしい。そこはゲームの概念に縛られているみたいだな。
だとすると、俺達以外の誰かが、アバターを倒していることになる。
そして、もう一つ気になっていたことがある。
パルクール部員に連絡を取り伊達軍と合わせた時、助っ人後輩部員である
そういえば、あれから一度も会っていない。まさか、何かアバター関連の事件に巻き込まれていなければいいんだが……。
「お前らか!! 最近巷で暴走している馬暴走族は!!」
しかし、そんな心配は意外な形で杞憂に終わった。
なんと、その
アイツのアバターは、緑色の軽装備に、双剣をメインウェポンとした出で立ち。名前はナミヲ。
たまに一緒にクエストに参加して、
「って……政宗!? ……
「いや、それはこっちの台詞だ! お前こそ何でその……ナミヲだよなそいつ? なんで一緒にいるんだ!?」
お互いに驚いた様子を隠す事はしなかった。しかも、
「あれ!?
「朱里先輩!? あれ、鼓太郎先輩と英人先輩まで……てか部活のメンバーだらけじゃないですか!?」
朱里がいつもと変わらない態度で
「失礼、貴殿は政宗だよな?」
ナミヲが訝しむように政宗に話しかける。政宗は意外な人物に、というかある意味後輩関係でもあるナミヲの問いに不敵な笑みを浮かべる。
「おう、久しぶりじゃねえか、ナミヲ。こんな形で再会出来るとは嬉しいぜ」
「俺も同じだ。まさかお互いプレーヤーと協力関係を築いているとは、流石だぜ」
お互いに闘志に溢れた笑みを浮かべつつ、視線と視線で会話をし始めた。取りあえず、敵対することはないみたいだが……。
「
どうなるんだ俺達?
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