第4話 密書
「あっどうも、ロウの父アントレイヤでーす。いや〜、ほんと勘弁して欲しいよね〜、中央政府がさ〜、主要拠点?奪還して来いって言うからさ〜、遠征してさ〜、早く家に帰りたいからさ〜、頑張って北軍追いはらったんだよ。そしたら今度は拠点の周りも奪還しろとかって言われてさ〜、マジ、テンション下がるわ〜、あっ部下が来ちゃったから君との会話は終わりにしよう。愚痴聞いてくれてありがとう。じゃ、またね」
「ガチャ」
鎧の音が近くでした。
「アントレイヤ最高司令官入ります」
汚い声の男がテントに入ってきた。
「なんだ?」
アントレイヤは男の方に振り向いて聞いた。
「北軍の兵らしき者が密書の様な物を持っていまして、それを持って来ました」
男はアントレイヤに密書の様な物を手渡した。
密書の様な物にはこう書かれていた。
【10分の1計画は順調につき、貴殿らの協力に感謝する。国王陛下も大変喜んでおられる様子であるのでこれからもよろしく頼む】
密書の様な物には中央政府の印が押されていた。
10分の1計画?
協力?国王?
中央政府の印?
何故北軍の兵がこんな物を?
アントレイヤは少し考えたが訳が分からなかった。
ただこの戦、裏があるな…
アントレイヤはそう直感したのだった。
「この密書を持っていた兵は何処にいる?」
アントレイヤは汚い声の兵に聞いた。
「それが…ここを占拠する時に先兵隊にやられたみたいで…もう息絶えてました」
汚い声の兵は申し訳なさそうに言った。
「そうか…この事は絶対に外に漏らすな、分かったな?」
アントレイヤは密書を汚い声の兵に見せながら言った。
「分かりました」
汚い声の兵は強張る様子でそう答えた。
汚い声の兵が去って、アントレイヤは冷静に考えた。
この密書をどうしたものか…
中央政府に返すのもヤバそうだし…
だいたい10分の1計画って何だ?何で北軍の兵が中央政府からの密書を持ってるんだよ…
答えが出ないのでアントレイヤは1人この秘密を抱える事にした…
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