体育祭編

第8話 平和を求めないのが高校生

おはようございます

そう心の中で呟き教室の扉を引く。

今日も朝から教室は賑やかだ。特に女子生徒のキャッキャウフフな声が教室にまんべんなく広がっております。そんな元気俺も欲しい。

そう思って席に着くと、

「おはよう、松岡くん。」

「えっ?お、おはよう。」

意外な展開なんだよ。こんなの思ってもいない。

「あー!松岡くんおはよう。」

「松岡くんだ。おはよう。」

女の子が次々と挨拶しに周りに集まってくる。どうなっているんだ?

「この前のステージのやつすごかった。」

「あれはとても感動したよ。」

「ほんと、かっこよかった。」

「ねぇねぇ、私がああなった時も助けてね。」

「あっ、ずるい私も助けて欲しい。」

「ならさ、私と付き合おうよ。」

「はゃあ?」

ちょっ、急展開すぎてへんなこえでちゃったよ?

「ずるい、私と付き合って。」

「彼女にしてー。」

あー、神様。今俺はとても幸せです。

「あは、あはははは。」

すると後ろの教室の扉が勢いよく開いて花咲結が叫ぶ。

「そいつは、変態だ〜!!」


「ーぁーあー!!」


という夢をみました。


入学そうそうやらかしたなぁ。

このまま、3年までこの高校でいられるだろうか心配になるよね。本当、卒業できますようにお願いします。


学校生活は変わらない。5月になろうとするのになにもない。それが幸せだと後々後悔していくことになるが今は置いとこう。

あの出来事から数日。4月に起こったこととは思えない。そしてそれも直ぐに学校生活に溶け込んでしまった。それが一番良かったことかもしれない。とりあえず、あの時のメンバーはバレーボール部に固まっている。いたって楽しい日々を送れている。それが長く続くことを誰もが思いつつ、このままでは楽しくないと思う思春期の心の叫びもあるかもしれない。


「ねえ、ちょっと。変態松岡がニヤニヤしてるよ。」

「ほんとだ、やだぁ。」

「あー、平和だ。」

「高校生がなに言ってるんだか。」

「うわっ、先生。びっくりしましたよ。」

「いやー、すまんねぇ。それより、平和ボケしてる君たちにいいお知らせだ。おーい、みんな席について。ホームルーム始めるよ。」

君たちとは誰たちを指してるのかな?


「5月といえば、桜田丘体育祭です。」

そう、岡田恵先生は告げ、教室はざわめき始める。

「いろいろ決め事があるから、体育祭委員を中心に決めてください。」


体育祭かぁ。誰が一番テンションが上がっているのか…。いや、心配しかないからね?


場面は放課後に変わり、色々なことが俺に襲いかかる。


「健吾、新メンバーだ。」

そう浅加幸平はいった。

「宜しく松岡くん。岡崎達也です。サッカー部から移動してきました。」

「へぇ、よろしくね。」

「おい、松岡健吾。」

「はい。」

「今度の体育祭で花咲さんを掛けて勝負だ。」

「事務所を通してもらおう。」

「事務所なんてないだろ。てか、誰だよ。」

「サッカー部一年5組、高橋翼だ。」

「いや、悪いけどめんどくさいから嫌だ。」

「なにをいってる。私のために勝負しなさい。」

「お前はなにがしたいんだ。」

「私を取り合って欲しいだけだ。」

「あー、平和な日常にヒビがぁー!」


「その話、私も一枚噛もう。」


あっ、もうお腹いっぱいなんでこれ以上出てこないでください。ほら、岡崎くんとかほったらかしになってるから涙目になってるよ?


というわけで、ロクでもない体育祭が始まろうとしてます。

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