第7話 後日談
その後のことを話そう。
あの演説の後は体育館中が大騒ぎになった。学校で起こっていた問題についての驚き。当事者たちへの批判。俺たち、特に花咲結への歓声。先生がたからの注意。こんなにも盛り上がった集会はなかなかないんじゃないかな?あっ、そうですよね。本当は盛り上がるものじゃないですもんね。
結果的に言うと俺たち男子バレーボール部一年は花咲に利用されただけです。ただの犬扱いでしたね。問題の裏では、神田さんは初めの方から花咲に相談しており、それに対して花咲は対応して動画などの証拠を集めていた。神田さんの両親と会い、問題についての解決策を提案し了承を得ていた。てか、あんな解決策でよく了承したなと思いますよね。そのための俺らだったらしいです。神田さんの周りの仲のいい友達として勝手に交渉材料にされ、共に責任を背負う者たちへとなることで、実の娘にはこんなにも友達思いの人がいるという印象を与え、実行の許可を得たのだ。俺たち、まだ1、2回しかあってないよ?あと、神田さんのお母さんは俺らと会った時からこの解決方法を知っていたんですね。そして、個人で動くより集団で動いた方が作戦を実行しやすかったのだろうな。あんな喧嘩もう二度とごめんだね。あと、情報が漏れないように俺たちにはなにも言わなかっただそうだ。それ、仲のいい友達になってる?色々とあるが、良い子のみんなは真似しちゃ駄目だぞ!!
先輩方5人は強制的に転校という形となった。神田さんの両親からの提案だそうだ。犯罪にもなる行為だから仕方ない。もう二度と近づかないのも条件だ。
三年の学年主任の先生は学年主任を外され、1年間学校の事務に所属になったらしい。主に雑用係としてだそうだ。あの年で…御愁傷様です。
そして、俺たちは一週間の自宅待機で済んだ。問題を起こし学校中を騒がせたというので罰をくらった。しかし、問題があるという指摘、その問題が本当のものだという証明により、罰が少なくなったのは校長先生のおかげだ。俺たちも、やるとは決意したから後悔はない。むしろ嬉しいことがおこった。
「一年の神田美由紀です。今日からマネージャーとしてよろしくおねがいします。」
最高の女子マネージャーの誕生だ。本当にありがたい。部活のヤル気が毎日湧き上がるくらいだ。優勝も夢じゃなくね?
「一年、花咲結です。美少女マネージャーとしてよろしくおねがいします。」
あー、さっきのテンション返してくれよ。ここまで関わるようになるのは気がひけるぞ。ほらみてみろ、一年はみんな絶望してるぞ。まあでも、美少女は否定しない。
そうして俺たちの学校生活は、過ぎていく。とても非日常的に。
「今日限りでサッカー部をやめます。」
「なんでやめるんだ?サッカー好きなんだろ?」
「バレーボールをしようと思います。」
「おい、女目当てなら辞めとけ。そういう理由じゃ、入れないぞ。」
「いえ、俺が好きなの女の子は女バレにいますから。それに、あの人たちといると学校生活楽しくなれそうですし、俺を必要としてくれているので。サッカーも観る方がすきです。」
「そうか、わかった。元気でやれよ。」
「失礼します。」
「どうだった?」
「大丈夫だ。」
「それは、よかった。改めてこれからよろしく。」
「こちらこそよろしく。浅加。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます