エントリー・ザ・スマイル(入学・入部) エイト!
中に入るといろんな絵が壁やイーゼルにかけられてた。絵を描いてたりする人やレイアウトに凝って数人でこう置こう、そう置こう……って絵だけじゃなくそこからこだわるのか。なるほど、こりゃあ…
「美術部の方々ですか?」
「はい、そーです。仮入部かな?」
「ハイ、センスを学びに!」ハイセンスを磨きに!
「飛躍すんな。まず、謝りに来ました」
「あー……君か。ちょっと来なさい」
「あ、え?……違っ」
「ちょっと行きなさい」
「お前だろうが!」
すぐさま、かっちゃんとぼくチェンジ。部長と話をする。
「すいませんでした」
「うん、まぁ絵の上から描いたわけでもなかったし、いずれは消しちゃうものだからね」
お、意外と漫研さんと同様スルッといくかな?
「でもね、僕ら美術部のささやかな楽しみは、あの作品達を描いた自分達の手でしっかり消すことなんだ」
「……」「……」
わ、なんかめんどくさい…。
「まぁ、連絡事項等で先生に消されてしまうこともよくあるんだけどね…」
………うん、こういう時どんな顔すればいいのかわからないんだけど?とりあえず笑っとく?気分軽くなるし。
かっちゃんは苦笑い。
「とにかく、君はまだ、新入生だ。二年生にもなってもこんなことがないように、これからよくいろいろ覚えてってね」
「はぁい」「すいません、こいつアホで」
「よし。じゃあもうすぐ説明始めるけど君らも聞いてくかい?」
「はい」「よろしくお願いします」
いそいそと既に集まってる新入生に混ざりにいく。
シュウはまだ漫研みたいだな、どしよかな、あっちに適当な時に戻ろうか……
「そういえば、君、山吹君…だっけ?」
「はい……?」
「君はなんであんなことをしたんだい?」
ふふ。よくぞ聞いてくれました。
「貴方達と多分同じ気持ちだからですよ」
新入生の為。想いは同じだったさ。
「入学式で浮かれてただけです。もしくは制服が窮屈だったんでしょう。もう卒業したいんですよ」
「あ、ははは…」
かっちゃん、そこまでのアフターケアはいらなかった。
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