緑の瞬き

 どこに壁があるかもわからないような、真っ暗な闇。壁の存在すら疑いたくなってくる。

 何を基準に進めばいいのか。どこを目指して。どこを伝って。

 

 やがて見つかる一筋の光。拡散せず、一点を照らす。

 目指す先は定まった。辿る道はまだない。

 

 時折視界をちらつくのは、方向を示す看板のみ。

 縁石は、拾い集めて、敷き詰める。自らの手で、新たに。

 敷かれたレールに乗れば、目的地へ辿り着くとは限らない。

 途絶えてしまう可能性を持つ道に、誰が運命を委ねられようか。

 

 光は、屈折し、反射する。

 終末は、揺らぐ。

 道は、陽炎。

 

 緑の瞬きを、願わない術はない。

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