青に満ちる

 どれだけ待ってみても、朝がやってくる気配はない。こうして思考を巡らせている間にも、太陽は深く深く沈んでいく。水平線を越えて、さらなる深淵へと。

 単純に地球を半周すると考えても、途方もない時間と距離であることは明らかである。

 対して月は、高く高く昇る。光が、遠く逃げていく。

 

 やがて、自分が置かれた"今"が、朝なのか夜なのか、その境界が曖昧さを帯びる。

 目を瞑ると、光はどこかへ消える。正しくは、そこにある光から目を背けているのは自分だというのに。

 それでもなお、光にも見放されたという絶望だけを抱えて渡るには、広すぎる海に投げ込まれてしまったようだ。

 

 じきに、岸へと届くだろう。

 

 それでも青は私を満たしてゆく。

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