黄を撫でる
ひねくれてるなあと、我ながらに思う。
どうしてこういう時には素直になれないのだろう。
沈もうと思えば底なしに沈んで行こうとするのに、浮き上がる時は呼吸するためだけだと言って聞かない。
偏った構造に、囚われている。
わかっていて、改めない。
普段から、酸いも甘いも、もう少し深く味わっておけばよかった。
急勾配も障害物も無い、なだらかな道の上。
その道の上の、数センチ上空を滑り歩くような感覚。
小石も、水溜まりも、さして影響はない。
心を開けば、この数センチの隔たりは、消えてなくなるだろうに。
黄色いもやもやは、どんなに嘲笑われようと、足蹴にされようと、健気な子犬のように、僕の後を追う。
こいつはきっと、気づいている。
それでも、なお。
撫でるのではなく、抱き締められたなら。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます