黄を撫でる

 ひねくれてるなあと、我ながらに思う。

 どうしてこういう時には素直になれないのだろう。

 

 沈もうと思えば底なしに沈んで行こうとするのに、浮き上がる時は呼吸するためだけだと言って聞かない。

 

 偏った構造に、囚われている。

 わかっていて、改めない。

 普段から、酸いも甘いも、もう少し深く味わっておけばよかった。

 

 急勾配も障害物も無い、なだらかな道の上。

 その道の上の、数センチ上空を滑り歩くような感覚。

 小石も、水溜まりも、さして影響はない。

 

 心を開けば、この数センチの隔たりは、消えてなくなるだろうに。

 

 黄色いもやもやは、どんなに嘲笑われようと、足蹴にされようと、健気な子犬のように、僕の後を追う。

 

 こいつはきっと、気づいている。

 

 それでも、なお。

 

 撫でるのではなく、抱き締められたなら。

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