第4話

少女は玄関に立ち止まったままだ。


「入ってきて大丈夫。風邪、引いてしまうよ。」


少女は靴を脱ぎ、部屋へと入る。

そこでも少女は立ったままだ。

なんて子だろう。それが彼女に対しての第一印象だ。

だけれど同時に、普通なら感じることのないものを感じたんだ。

まるで美神。そう、彼女は美神ではないだろうか。

人間離れした美貌。触れてしまえば消えてしまう儚さ。

私は直感的に感じたのだ。


「そんなに硬くならなくていいんだよ。」


私は出来るだけ優しく声を掛けた。

狂ってしまいそうな感情を押し殺しながら......。

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2-second- 藤堂梓音 @SHioN-ToD

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