第2話


私はお気に入りの卵焼きを食べながら、青い空を見上げる。

ここは私にとっての秘密の場所だ。ほとんど人が来ない。

そう、楽なのだ。

お弁当を食べ進めていると、ポツリと何かが降ってきた。私は上を見上げる。雨だ。

お弁当が雨に濡れぬように素早く鞄にしまい、私は会社内に入る。

今日は飛んだ1日だ。

人から声を掛けられ、至福のひとときのお弁当まで奪われてしまった。何て日だ。はぁ......と溜め息をこぼす。

もうこれでおわりだといいのだが......。




その予感が外れることを、今の私は知らない。

外は雨で溢れている。

当分止まないであろう雨を、私は石のように見つめていた。

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