リサ 6

いつものように眞鍋の背中をぼーっと眺めていた。

ここに居れば、涼の情報を一番に聞く事が出来るから。


そしていよいよ、私が待っていた吉報が流れ込んできた。



「眞鍋さん。マリアが死にました」


ガタッ。

私は勢いよく椅子から立ち上がる!


やった!

ようやく邪魔者が死んだ!消えた!居なくなった!



「・・・・マリアが?まだ身体は使える状態?」


「それが涼がマリアの首と身体を切り離してしまいまして、もう無理かと・・・」


「・・・・そう。じゃあ破棄して」



私は急いでマリアの死を告げに来た兵士に飛びついた。


「ねぇ!マリアが死んだって本当?もう生きていないのね?

完全にこの世から消えたのね?」


「・・・は、はい。マリアはもう再起不能の状態です・・・」


「そう!」



ニヤける顔を両手で押さえつつ、司令室を飛び出し自分の部屋へと駆け戻った。



死んだわ!

マリアが居なくなった!

涼がマリアの首を切断するなんて、きっと涼はマリアは捨てて私を選んでくれたのね!


でもきっと少なからず涼もショックを受けているだろうから、慰めてあげなくちゃ。

次はいつ涼はここに戻ってくる?

それとも私が尋ねるべきかしら?

その時に着るお洋服はどれにしよう。

髪型はどうしよう、変えようかな?



あー・・・・・・、涼に会うのが楽しみ。


「・・・・もうボロボロね。これまでなの・・・・?」


眞鍋は机に両手を付き、うなだれていた。

・・・・どうしてそんなに落ち込んでいるの?



「第三世代もあっという間に壊滅。

今回も奇襲相手の情報が1つも落ちないなんておかしい・・・・」


「裏切り者がいた?まさかそんな・・・・。

ClearSkyのメンバーを選ぶ際には、徹底的に素性は調べたはず。

裏切る奴なんて1人も居ないはずなのに・・・・」


「風の国が攻め込んでくるのはいつだったっけ?」


「第四世代を作る時間がない。有能は兵士を全て城へ集めて!

涼とハヤトもこちらに戻してちょうだい!」



涼?



「涼がこちらに戻ってくるの?」


眞鍋の背中に飛びつく。



「えぇ、戻すわ。もう涼とハヤトしか戦える人がいない・・・」


やったー!涼に会える!

急いで準備しないと!


司令室を出ようとした時、背後から嫌な会話が聞こえてきた。




「ですが涼はもう完全に壊れてしまっていて、使えるかどうか・・・・。

余程マリアが死んだ事がショックみたいで・・・・・。

今から急いでマリアのレプリカでも作りましょうか?」



え?涼が完全に壊れた?

マリアが死んだ事がショック?

涼はマリアじゃなく、私を選んでくれたんじゃなかったの?


嘘・・・。



振り返ると、


「レプリカなんて作っちゃダメよ!私が許さない!」


兵士に怒鳴り散らした。


それは絶対にダメ!やっとマリアが居なくなったんだから!

もう2度と涼とマリアを会わせちゃダメ!

涼が壊れたなら私が癒して治してあげる!

涼の事を心から愛してるのは私だけ!

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