早見 6



街では法律に対して疑問を思う人間が増え、反乱組織がいくつか作られていた。

俺は資料室へ忍び込むと1つの組織に目を付け、その資料手に持ち反乱組織へと接触する事にした。

1つの反乱組織の資料が消える。

つまりこの組織のデータは無くなり、国にとってノーマークになるという事だ。


国の人間が来たら警戒する事だろう。

もしかしたら、殺されるかもしれない。

でも死んだら死んだでそれでいい。

もう生きる意味もないし。



初めての対面した時。

とても警戒された事を覚えている。

だけど、信頼して貰わなければ話は何も進まない。


資料を手渡すと、すでに国に目を付けられている事。

このアジトがバレている事。

俺がこの組織に関してのデータを持ってきた事。

全てを話した。


少し時間はかかったけど、無事信用して貰う事が出来、俺はスパイとして組織に加わる事が出来た。




そしてあの日がやってきた。

彼女の息子を殺した奴らと対面する日。

目の前に現れたのは、根暗そうな子と爽やかな子。

それに頭が丸坊主の性別不明な子と小生意気そうな子の4名。


どれかが犯人だ。



ゆっくり炙りだして行こう。

そして残虐に殺してやるんだ。

そう胸に誓った。


その前にコイツらに信頼して貰わないと。

俺はまた仮面をかぶる。

コイツらに信用して貰う為に。

口角を上げ、甘い声で話しかける。



「初めまして。私が貴方たちのお世話全てを担当します。

係員とでも呼んでください」


こいつらから信用を得る為なら、街人を殺す事位容易い事だった。

反乱組織に加入したのだって、別に国民を救いたいからじゃない。

俺は彼女の無念さえ晴らせば、それで良かったのだから。



自分たちが捨て駒だという事にも気づかず、子供達はすぐに人を殺し始めた。

所詮子供。

思考が単純だ。


その中で1人、誰を傷つける事もなくブルブル怯えながら立ちすくむ子が居た。

名前はハヤト。

資料によれば、人をまともに殺す事も出来ない出来損ないだとか。


恐らくこいつは彼女の息子を殺してはいないだろう。

見た感じ、そんな度胸があるように思えない。



ん?待てよ。

コイツを連れて行けば、組織での俺の立場が上がるかも知れない・・・。

俺はハヤトを組織に連れて行く事にした。

一歩間違えればこいつは殺されるかも知れないが、こいつが死のうが生きようが俺には関係ない。


甘い言葉で釣り上げ、アジトへと連れて行く。

人も殺す勇気がないこいつはあっさり後をついてきた。

上手く誘導し、土の国へ送り込む事にも成功。

全てが上手く行き過ぎて不気味な位だった。



目論見通り、漆黒の翼を埋め込まれた人間を捕獲し、土の国へ送り込んだ俺の組織での信用と信頼は格段に上がった。



残るは3人。

誰が犯人だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る