死ぬと生きる 9

「ねぇ、聞いてる?ずっと待ってたのに・・・。

あ!そっか、マイかミキ、どっちか日直だったとか?

だから、アタシの事を置いて、先に登校したんでしょ?そうだ!きっと!

なら、先に連絡しといてよね~。

それ知らなかったから、ずっと待っててさ~・・・・」



なんて、明るく話してるのに、2人は全然こちらを見ようとはしなかった。

相変らず、全く別の話をして盛り上がってる。

昨日までは、一緒に登下校してたのに、どうしちゃったの?

全然、意味わかんないよ・・・・。



そんな2人の急激な態度に悲しくなったけど、それは一瞬の出来事で、すぐに怒りへと変わる。


何なの?アタシはこのクラスの中でも上級の人間なのよ。

マイもミキも、アタシと一緒に居るから、上級にいられてるってのに、それを理解していない。

いや、むしろ、アタシの事をバカにしている。

・・・・・その態度が許せない!!!



目の前にある机を、ドンッ! と叩くと、


「ずっと待ってたんだからね!!!

友達を置いてけぼりにして、勝手に登校するとか、何かんがえてんの!!

遅刻したら、どうしてくれるのよ!!」


あまりの態度に、思わず怒鳴り散らす。

ビシっと言えば、2人も素直に謝ると思ったから。

それなのに、マイとミキは クスっ と鼻で笑うと、


「あ、もうミカと友達するのやめたから」


たったそれだけを言うと、また2人は視線を逸らし楽しそうに会話を支配zメル。


友達するの をやめたって何?

アタシ達は、心からの友達だったんじゃないの?

今まで 友達ごっこ を、していただけだったの?


あまりのショックに、言い返す言葉が見つからなかった。

あ、そうだ。

早く席に戻らないと、先生が来ちゃう。

ボーっとした頭で、自分の席へとフラフラ歩く。



突然友達2人に裏切られるなんて、可哀相なアタシ。

それなのに、クラスの奴らは、誰一人としてアタシに声をかけてこようとしない。

なんで?

普通、ここで何か優しい言葉をかけるでしょ?


誰も声をかけてこない。



その時、なんとなくアタシはこれから自分に何が起こるのか?想像がついていた。




きっとアタシ、クラスの奴らにイジメられるんだ。



休み時間も一人。

お昼食べるのも一人。


広い教室の中で、一人ぼっち。

すぐ隣では、格下のグループの奴らが、楽しそうに笑っている。

何を話しているのか?聞こえなかったけど、なんとなく・・・・。

その笑い声が、まるでアタシが一人ぼっちで居る事を笑っているように思えて・・・苛立つ。




アタシが一人ぼっちで居るっていうのに、誰も声をかけてこない。

これってイジメなんじゃないの?

クラス全体でシカト!集団イジメよ!



まだサナエが死んで、1週間しか経ってないっていのに、早速次のターゲットを決めてイジメるなんてありえない。

アタシが何をしたっていうの?

何もしてないじゃない!

むしろ、アタシが頑張ってこのクラスの質を上げたっていのに!

恩を仇で返すなんて!!!

このクラスの連中は、腐ってるわね!



視線を感じ、その方向を見ると、亮が真顔でこちらを見ていた。

目が合うと、軽く フッ と笑い、視線を逸らす。



・・・・何?アレ、感じ悪っ。

もしかして・・・・。


そんな亮の行動に、アタシはある事を思いつく。



クラスの奴らに、アタシの事を無視するように命令したのって亮なんじゃない?

じゃなくちゃ、全員がこんなに露骨にアタシの事シカトする訳ないじゃん!

きっとそう!いや、絶対にそう!

アイツがアタシの事を、無視させてるんだ!



そう思うと、急激に腸が煮えくり返った。

早く亮の野郎を、ぶん殴ってやりたい!


アタシの事を振り、サナエを自殺に追いやった上に、次はアタシをイジメるなんて最低!

そんな男は、一発殴って根性を叩き直してやらなくちゃね!

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