死ぬと生きる 3

「ねぇ、おかしくない?全然亮が一緒に帰ってくれないの!」


アタシは、マイとミキを呼び出すと2人に相談をし始めた。

内容は亮との事。

だから、サナエの事は呼ばない。



「あれ?確か亮ってサッカー部だよね?放課後部活あるからじゃないの?」


真剣に相談してるっていうのに、マイがヘラヘラ笑い始める。

部活があるから何?アタシは彼女だっつーの!

その態度にイラついたアタシは、



「はぁ?何言ってんの?!普通彼女と一緒に帰る為に、部活辞めるでしょ!!

彼女より部活を優先するなんて、あいつ何考えてんの?!まじ有り得ない!!」


ブチ切れると、マイは一瞬ハッとした表情をし、



「そ、そうだよね~。有り得ないよね。うん」


アタシの意見に同意をした。

ほら、有り得ないでしょ?

部活なんて理由で、アタシと一緒に帰るのを拒否るとか有り得ない!

きっと、別に理由があるはずよ!



「でも確かあいつの家って、親が教師で厳しいんじゃなかったっけ?

そんな話をサナエから聞いた事あるけど」


ミカの言葉を聞き、アタシは1つのとある説を思いつく。

パンっと手を叩くと、



「そう!そうだよ!サナエだよ、サナエ!あいつが原因なんだ!

あいつが原因で亮が一緒に帰ってくれないのよ、きっと!

あいつと亮って幼馴染じゃん。

亮はサナエの事を幼馴染としか思ってないとしても、

サナエは亮に片思いをしてるから、

アタシが知らない所で、悪口を亮に流してるとか・・・・。

そう!絶対にそう!

じゃないと、有り得ないじゃん!

もしそれが事実だとしたら、亮がアタシを避ける理由もつく!

絶対にそうだよ!ねぇ、マイとミキもそう思うよね?」



アタシなりの推理を話すと、



「う、うん」


「そうなのかもね」


2人も、頷いてくれた。

って事は、アタシの推理が正しいと証明された訳で、そうなれば・・・・、



「ほら!アタシの勘は当たるだよね~!

って事で、今からサナエはもう仲間じゃないから。

裏切り者はシカトって事で」


マイとミキは2人で顔を合わせた後、アタシの目を見て、コクリと頷いた。

流石親友!

アタシ達3人は、最強だよね!


3人で教室へ戻ると、まるで犬のようにサナエがうちらの方へ駆け寄ってきた。



「何処行ってたの?トイレ?」


裏切り者がヘラヘラ笑いながら話しかけて来る。

こいつは何も気づいていない。

もう知ってるのよ?

アンタがアタシの事を裏切ったって事は。

バカな奴。

流石、顔がキモイだけあって、中身までキモイのね。



サナエの事を一睨みすると、問いに何も答えないまま、3人はアタシの席へ向かうと、そこでたまり場を作った。



「ねぇ、どうしたの?何があったの?」


ここまでやってもサナエは何も気づいていないのか?

後を追いかけてきて、うちらに話しかけて来る。

流石ボサっとした性格してるだけあるわね。

何も気づいていない。


こちらからはサナエに対して一切喋りかけない。

数日間は、しつこく絡み付いてきたけど、そのうちなんで避けられるのかわかったのか?サナエはこちらに来なくなった。

裏切っといて、うちらと一緒に居ようと考えるのがオカシイのよ!


裏切り者は大人しくしとけばいいのに、サナエは別のグループへ入ると、そこの奴らとつるむ様になった。

アタシの事を傷つけといて、ヘラヘラ笑って過ごしてるのが目に付く。

そして、何より一番イラだったのは、アタシの目の前で亮と仲良く話してるって事!

それを目の当たりにする事で、やはりアタシの推理は正しかったって立証される。


やっぱり、あいつのせいでアタシ達は何もしないまま別れる事になったんだ・・・・。

格下に相手にされないまま振られ、プライドはズタズタに傷つけられたのだから、その罪を償いなさい・・・・。




体育の授業が終わり、更衣室でジャージから制服へと着替えず。

全員各々のロッカーから自分の制服を取り出すなか、


「・・・・あっ!」


サナエは小さな悲鳴を上げると、制服を床へと落とす。

無残に床に落ちた制服は、もう着る事が出来ない程にボロボロに切り刻まれており、

それは誰がどうみても、故意的にやられたのは明白だ。



「・・・・ぶっ、うわ~、可哀相。誰がやったんだろうね~」


それを見て、優しいアタシ達は労う言葉をかけてあげた。

一番疑われるのは、この前まで同じグループだったうちらなんだろうけど、

誰がやったのか?なんて証拠は何処にもない。

だからうちらに対して何も言えない事はわかってるけど。

でも、一応フォローくらいはしとかないとね、

しかし、サナエのショックを受けた顔を見ると、笑ってしまう。


その日、サナエはジャージで1日を過ごした。

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