死ぬと生きる 2
「そうそう、で!サナエに言った訳!」
「~んでも、アタシが告るって言った時、何も言い返さないって事はOKって意味でしょ?」
「え?もし、亮に振られたらって?ありえないって!亮程度の男が、アタシを振れる訳ないじゃん!」
「でも・・・、もしアタシが振られたら、サナエと絶交って事で」
マイとミキとは打ち合わせは無事に終了すると、アタシは電話を切った。
ぶっちゃけると、アタシと亮の学校的立場は違う。
アタシは所謂派手系目立つグループで、亮はどちらかというと大人しいグループ。
立場が違う場合、普通なら付き合うなんて有り得ないんだけど、
アタシは優しいからその壁を乗り越えて亮と付き合ってあげようと思ってんの。
大人しいグループに所属してるけど、顔はカッコイイんだよね~。
背も高いし。
磨けば光るって奴?
だから、告る決心をした。
アタシみたいな子に告られたら、亮も泣いて喜ぶんじゃない?
言ってしまえば、アタシ、マイ、ミキは派手なんだけど、サナエは大人しいタイプの子。
本当はサナエって見た目から無理なんだけど、やっぱりそこはアタシの優しい部分で、
性格が優しいし、汚れ役を引き受けてくれるから、仲間に入れてあげたって奴!
アタシが声をかけてあげなかったら、このグループに入れなかったんだから、感謝しなさいよね!
そんなサナエと亮は幼馴染で、よく会話してる所を見てる。
なんとなく、友達以上の関係なのかな?なんて思う事もあるけど、
さっき告る事を確認したら、何も言ってなかったから、ただの幼馴染って事でしょ?
だから、予定通り、明日告る事にしたの。
アタシみたいな子が振られるはずないし、万が一振られたとしたら、それはサナエが関係してるって事じゃない?
っていうか、アタシが振られるなんて有り得ないし、そんな恥かかされたら・・・・・・・サナエとはもう仲間じゃないよね。
裏切るとは考えられないけど、もしそうなったら・・・・・・・・・・・サナエを学校から追い出してやる。
翌日。
アタシはサナエと2人で亮を呼び出した。
「え?何・・・・」
戸惑っている亮にアタシは、
「っていうか、アタシ達付き合わない?最近よく喋ったりしてるし・・・・・・」
生まれて初めて、格下へ告白に上手く言葉が出てこない。
亮も目が泳いじゃってるし、アタシもモゴモゴしちゃってる!
「サナエからも何か言ってよ!」
隣に居るサナエを軽く叩くと、
「え?あぁ、うん。亮とミカはお似合いだよ」
後押しをしてくれた。
友達なんだから、もっと早くフォローしなさいよ!って言いたい所なんだけど、
この子って、ボサっとして気が利かないからね~、仕方がないか。
すると、亮は恥ずかしかったのか?苦笑いを浮かべながら、
「あぁ、うん」
歯切れの悪い返事をした。
うん って言ったって事は、OKって意味よね?
まぁアタシが振られるなんて、有り得ないんだけど。
「あ!アタシモテるから、あんまり学校内で喋れないけど、それでもいい?
後、毎日夜には電話してきてよね!
で、放課後は毎日一緒に帰る事!」
アタシは付き合うにあたっての条件を亮に言い渡すと、サナエの手を引っ張り教室へと戻った。
なんとなく気恥ずかしかったから、その場から早く立ち去りたかったっていうのもある。
「やっぱりね!OK貰えると思った~」
鼻歌を歌いながら廊下を歩く。
今のアタシは上機嫌。
地球はアタシを中心に回ってるっていう、気分だわ。
「う、うん」
サナエも笑顔を浮かべてくれた。
仲間に彼氏が出来たんだから、それを一緒に喜ぶのは、当たり前よね?
この日から、アタシと亮は彼氏と彼女になった。
それは、サナエの目の前で起こった出来事で、彼女自身がアタシ達の背中を押してくれたはずなのに、
亮は
「部活がある」
とか、
「夜は親がうるさいから電話できない」
とか、言い訳をし、アタシが出した条件を一切飲まなくなった。
そんな亮の態度に、アタシは不信感が募り始める。
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