第79話帰る場所 7
しかし、今回はいつもとは違ったみたいで・・・
「あ、ミカは明日重要な任務があるの。
だから、私と一緒に来て頂戴。
他の皆は、今日も自主トレって事で、頑張ってね~」
ミカの手を引っ張る。
ミカだけに、重要な任務?なんだろう?
「何故、ミカだけなんですか?僕達にやる事はないんですか?」
ハヤトが、そう問いかけると、
「ないわ。ミカでないと、意味がないの。
貴方達は、これから起る事を楽しみに、モニターの前で待っていなさい」
ニッコリ微笑むと、真鍋さんは足早に消えていった。
黙って付いて行くような性格ではないミカの声が、
「え?ちょっと何よ・・・・!まっ・・・・」
どんどん遠のいていく。
俺達は、その姿を呆然と目で追うしかなかった。
「ミカだけの重要任務って、何だろう?
ミカで思いつく事と言えば・・・・、いつも文句ばかり言ってるイメージしかないんだけど」
複雑な心境だ。
モンスター討伐を、文句1つ言わず、頑張っているのは俺とマリアなのに、
そんな俺達を差し置いて、ミカに重要な任務を与えるだなんて!
「そういえば、ミカって女王様の所有物っていう話があったよね?
それと、何か関係があるのだろうか・・・・」
眉間に皺を寄せたハヤトが、ポツリと囁く。
「女王様の所有物って・・・・ 物 って意味よね。
人間じゃない、物。
ミカは人間ではないって事を、指すんじゃないのかしら?」
珍しく、討論にマリアが参加した。
どうやら、彼女としても、ミカの重要任務が気になるらしい。
「考えてもわからないから、とりあえず今日は訓練に励もう。
って言っても、訓練に身が入らなさそうだけど」
苦笑いを浮かべるハヤト。
俺もだ。
訓練っていう気分じゃない。
ただ、明日やる事が気になって仕方がないんだ。
女王様は言っていた。
新しい法律が出来れば、俺達が住みやすい国に生まれ変わると。
それに、何故ミカが関係しているのだろう?
わからない・・・。
謎は深まるばかりだ。
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