第51話討伐 7
シャワーを終え、食堂へ入ると、ハヤトとマリアが向かい合わせで座っていた。
そして、ハヤトの隣には、いつものようにミカの姿があり、
俺を見つけたハヤトは、
「涼!こっちだ!」
そっちへ行くよう、呼びかけてくる。
トレーに昼食を載せると、そちらへと歩き、マリアの隣に座った。
「お疲れ様・・・・・どう?大丈夫?」
俺は、マリアに声をかけた。
腰抜けなハヤトの事だ。
きっと、モンスターを1匹も討伐する事なく、全てマリアにさせているに違いない!
マリアの身体を、気遣ったのだ。
すると、
「私は大丈夫。ハヤトが頑張ってくれているから」
マリアは、耳を疑うような事を言い始めた。
俺は驚き、もう一度聞き返した時、
「え?嘘だろ?!ハヤトも殺しているのか?!」
「うっそー!ハヤト、殺してるの?!」
ミカの声と重なった。
「うわっ、真似しないでよ!キモイ!」
俺と声が重なった事に、怒るミカ。
それは、こっちの台詞だよ!わざとじゃないのに・・・・。
「うん。マリアだけに討伐させるのも悪いから。
それに、僕は早く、漆黒の翼から解放されたい。
だから、1匹でも多く、モンスターを討伐して、早くこの任務を降りたいからね」
苦笑いを浮かべる、ハヤト。
何が マリアだけに討伐させるのも悪い だ。
俺とやった、実戦デビューでは1匹も殺せなかった癖に。
「マジで?ハヤトが殺ったのならアタシも頑張ろうかな・・・・」
嫌そうな顔をする、ミカ。
モンスターを倒すのか?倒さないのか?自分で決めれないとか、なんなんだよ、こいつ。
この日を境に、俺達はモンスターを倒し続けた。
何千何万というモンスターを倒す。
完全に俺は、目の前に居る物達を、 人間 とは思えなくなっていた。
人の皮をかぶったモンスター。
俺の中で、人がモンスターへと、変換されていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます