第23話トレーニング開始 8

沈黙。

黙々と、食べ続ける、俺とハヤト。



ハヤトは社交的だけれど、俺は内向的。

自分から、話題を触れないから、ハヤトが話さない限り、沈黙する事は必然的に多くなる。





しばらくの沈黙の後。

それを破ったのは、やっぱりハヤトだった。



「そういえば、来週くらいに、僕達の仲間になる女の子が一人、ココに来るって、真鍋さんが言ってた」



「そうなんですか」



「楽しみだね。僕達の仲間が増えるのは」



「そうですね」



また、真鍋さんか。

何故、真鍋さんは、ハヤトにそんなにベラベラ色んな事を喋るのだろう?

気になる。




「ハヤトさんは、真鍋さんの事、色々知っているんですね」



「僕は、漆黒の翼の中で、最年長者なんだ。

だから、リーダーって事で、毎朝、真鍋さんとミーティングしている。


まぁ、リーダーって言っても、漆黒の翼のメンバーは、僕と涼君、マリアに来週くる女の子の4人しか居ないから、

そんなに偉くもないんだけど」



そう言い、爽やかに笑った。



最年長だから、リーダー?

それは違う。



万が一、俺が最年長だとしても、真鍋さんは俺をリーダーにしないはずだ。



ハヤトにはリーダーの素質がある。

だから、リーダーを任せた。



それに気づかないのは、天然か?それとも、わざとだろうか?


テーブルの上に乗っていた、カツカレーと豚カツを無事、完食。


丁度、休憩の1時間が終わろうとしていた。




「さて、そろそろ、戻ろうか?

次は、Level.2 を歩いてもらうから」



そう言い、立ち上がるハヤト。



食堂を見回しても、マリアらしき人影は居ない。

マリアは休憩をしないのだろうか?



顔が見れると、少し期待したのに・・・・。





「あの・・・、マリアは休憩しないんですか?」



「マリア?あぁ、マリアはもう、特殊訓練に入っているから、1日3食しか食事を取らないんだ」



「特殊訓練?」



「僕はまだそこまで行っていないから、詳しくはわからないんだけど、

特殊訓練まで行くと、食事をする回数は減らして良いみたいだよ」






ハヤトも知らない事を、マリアは知っている。




マリアとは、一体何者なんだ?




特殊訓練って、何?




また、真鍋さんの隠し事か。




謎を深めたまま、俺達は食堂を後にした。

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