第7話粗大ゴミ 7

母親と顔を合わせるのが気まずいから、朝食は食べずに学校へ行く事にしよう。


音を立てないよう、廊下に出て、玄関へ向かったつもりだけれど、





ガチャ。


リビングのドアが開いた。

鬼のような表情の母と目が合う。




「・・・・おはようございま・・・・」




「昨日、アンタの首を絞めて殺さなかったのは、私の理性が働いたからよ。

感謝しなさい。

これからは、学校へ行きたくないなんて、我侭許さないわよ」




用件だけ言うと、母はリビングのドアを閉めた。








・・・そっか。

今まで勘違いしてた。




俺の命は、俺が自分で管理していると思っていたけれど、実際はそうじゃないんだ。



母が、俺が生きる事を許してくれるからこそ、生きれるんだ。






目から、涙がこぼれた。




生きる事を許可してくれた母は、優しい母親なんだ。


学校の奴らに泣いた事がバレたら、更にイジメられるに決まってる。

人が居ない場所で、思いっきり泣きはらしてから、学校へ向う。




また始まる。

あの陰険なイジメが・・・・。




学校に近づく旅に、お腹が痛くなる。


・・・・まただ。




校門が見えてくる頃には、強烈な吐き気。


・・・・朝ご飯は食べていないのだから、吐く物なんてないんだ。

これも気のせい・・・気のせい・・・・。






門から一歩、学校の敷地内に足を踏み入れようとした時、

手足がガクガク震え始めた。




やめろ!震えるな!

こんな所、あいつらに見られたら・・・・・。





呼吸が苦しい。

心臓がバクバクいっている。






もしかして、俺死ねるのかな・・・・?





脈拍が乱れ、苦しいっていうのに、俺は、死ねる事を喜び、微笑んだ。




周りの奴らが、引きつった顔でこちらを見てる。

誰も、「大丈夫?」と、声をかけてはこない。




そこで意識はプツっと途切れた。



これで、終わる事が出来る。



さようなら、俺。

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