第6話粗大ゴミ 6
ガチャ。
ノックもなく、ドアが開く。
「早くお風呂入りなさい。長風呂するんじゃないよ。
電気代かかるんだから」
母だった。
用件のみ伝え、ドアを閉めようとした、その時ー・・・・。
「あの、俺学校に行きたくない」
ずっと、言いたくて仕方がない事を伝えた。
母親は顔色を変える事なく、
「学校に行きたくない?アンタ、何言ってるの?
学校に行かないのなら、死んでちょうだい」
そう言い、ドアを閉めた。
やっぱり、ダメか。
これが兄貴なら、母は学校に行きたくない理由を聞いたりするんだろうけれど・・・。
重たい腰を上げ、部屋を出た。
風呂に入るー・・・・・って言っても、長く入ると母親がうるさいから、
湯船に浸かる事は出来ないんだけど。
風呂に入ったら、後は寝るだけ。
寝たら、また朝がくる。
嫌だ。
学校に行きたくない。
朝が来るのが怖い。
ずっと、夜のままで居てくれ。
ん?
何か違和感がある。
朝が1秒でも遅くきて欲しいから、眠らないよう、必死で目を開けていたはずなのに、
気づけば眠っていたようだ。
暗い部屋の中。
違和感を確認する為、目を開けると、母親が俺に馬乗りになり、両手で首を絞めていた。
俺、殺されるんだ。
再び静かに目を閉じる。
このまま死んでもいい。
死んだら、学校に行かなくてもいいし、家でこんな扱いもされなくなる。
でも、出来れば、親に殺されるのだけは、避けたかったな。
どんな辛い死に方でもいいから。
苦しいとかは、わからない。
ただ、 親に殺される と、わかった時、それを酷く 悲しい と思った。
次に目を開けると、窓の外は明るくなっていた。
死んでない・・・・。
それを残念と思ったけれど、生きている事を嬉しいとも思えた。
俺、親に殺されなかったよ。
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