第2話粗大ゴミ 2

数分かけ、教室にイスと机を戻した。

カバンを取る為、教室の隅に目線をやると、次はカバンがない。




「・・・・だっせ・・・」


誰かが、小声で囁いた。




また、か・・・・。

窓の外を見ると、俺のカバンは外に投げられていた。



これも、日常茶飯事。



教室を出ると、一斉に笑い声が響いた。




あー、うるさい。

耳障りだ。




俺は、イジメられている。


誰に?

学校全体に・・・・だ。



主犯は数人で、誰にやられているのか?もわかっているけれど、

俺がイジメられているのを外から見て、笑っている奴らも同罪だ。




誰も助けてくれない。





なんの為に生きているのだろう?

疑問に思う。






外にでて、カバンを手に取った時、チャイムが鳴った。




あー・・・・・。



教室に戻りたくない。

このまま、家に帰りたい。



でも、帰る事が出来ない。

俺は重たい足を引きずりながら、教室へと歩き出す。


静まり返った廊下を歩き、教室の前に辿りつく。

中を覗くと、先生はすでに、来ていた。




ガラガラ・・・・。



なるべく、音を立てないようにドアを開けたつもりだけれど、

見つからない訳にはいかなく・・・・





「北条君。今日も遅刻よ!いい加減にしなさい!」


先生に怒られた。





俺は遅刻なんてしていない!

学校には来ていたんだ!

ただ、誰かにイジメられていて、カバンを外に投げられたから、それを拾いに・・・・!



なんて、訴える気力も、残っておらず・・・・



「・・・すみません」



一言謝り、席に着いた。






皆がクスクス笑うけれど、先生は注意をしない。


守ってなんてくれない。





長い1日が始まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る