ClearSkyー水の国ー
美春繭
第1話粗大ゴミ 1
「あいつキモくね?」
「っていうか、臭くね?」
「なんで、学校に来るんだよ」
「死ねばいいのに」
皆が、笑いながら、俺を見ている。
聞こえるような大きな声で、罵声を飛ばす。
晒し者になりながら、俺は学校へ向かう道をひたすら歩く。
もう嫌だ!!
こんな扱いされるなんて、たくさんだ!!
でも、死ぬ勇気は出ない。
車に轢かれたら、一ヶ月くらい、学校休めるかな?
そんな事を考えているうちに、学校に到着する。
今日も無傷で学校に到着した。
車には、轢かれなかった。
・・・・残念だ。
教室に入ると、俺の机は無かった。
呆然と立ち尽くす俺を見て、皆がクスクス笑う。
・・・またか。
カバンを、教室の隅に置くと、廊下に出る。
こんな事も日常茶飯事、慣れている。
机とイスがある場所はわかっていた。
女子トイレにあるんだろう。
たくさんあるうちの、一番人通りの多い女子トイレに前に立つ。
ドアを開けると、そこに俺に机とイスはあった。
「うっわー!こいつ、女子トイレ覗こうとしてるよー!!」
ほら、きた。
お決まりのフレーズを、誰かが叫ぶ。
「うわー。キモイー!」
「死ねばいいのに!!」
「変態!!!」
罵声が飛ぶ中、俺は、女子トイレに侵入し、自分の机とイスを運び出す。
そこから、教室までは、結構な距離があるけれど、
誰も助けてくれないから、自分で運ばなくてはならない。
先生達とすれ違っても、何も言ってくれない。
見て見ぬ振りだ。
俺は、この学校に、何しに来ているのだろう?
疑問に思う。
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