第10話疑惑 1
それは突然訪れた。
To 岡野裕也
Sub 無題
Text いつでもいいです 僕と会ってくれませんか?
時間を下さい デートして下さい
いつもの単調なメールとは異なった物で、今までの平行線な関係から一歩踏み出す物だった。
え?デート????私とデートしたいって事????
この間まで、彼は私の事を好きではないと疑っていただけあり、思いもよらぬ展開に驚く。
これは素直にOKしていいのかな?
軽い女って思われる?
すぐに断るべき?
過去の恋愛を思い出す。
一人目の彼も二人目の彼も、私と誠実に向き合ってくれなかった。
今回こそ大事にされたい。
もう悲しい思いをするのは嫌だ。
To 大西舞子
Sub 無題
Text 今度の日曜日がお休みなので、昼間の2時間限定で会いませんか?
信用していない訳じゃない・・・・・・・・。
メールをたくさんしたとはいえ、まだ彼について知らない事の方が多いから。
To 岡野裕也
Sub 無題
Text ありがとうございます^^ 嬉しいです 日曜日楽しみです
何かしたい事があれば それに合わせます
何かしたい事・・・・ねぇ・・・・。
そもそも彼の好きな物とかも一切知らないし、思いつかない。
どうしよう。
2時間で出来る事って何だろう?
部屋でぼーっと考える。
日曜日。昼間。2時間。岡野さんと一緒にやりたい事。
・・・・・・・・・・・・・ない。
何も思いつかない。
バタン。
廊下から乱暴に扉を閉める音が聞こえてきた。
「早く部屋に戻って来いよ。戻ってきたら・・・・」
「・・・バッカじゃない!すぐに戻るから・・・・」
姉と姉彼の下品な会話。
いいよね、バカでヤるしか考えられない奴らは。
私と岡野さんは違う。
もっと綺麗で純粋な関係だから。
以前岡野さんから来たメールにこう書かれていた。
To 岡野裕也
Sub 無題
Text 僕は大西さんを 大事にしたいです
あの一文を、信じていいんだよ・・・・・・・・ね?
私達はあんなアホみたいな奴らとは違う人種なんだよね?
あ~~~~~~~~~~~~~~~~、何しよう。
困ったなぁ~。
カフェで軽くお茶をしながら談笑。
それともドライブしながらの方が良いのかな?
難しい・・・・。
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