第9話愛情表現 4

それから2週間。

彼といつも通りメールをし続けた。

「おはよう」から「おやすみ」まで。



これといった情報を掴めるようなメールもなく、知れたのはお互いの生活リズムのみ。




彼は自分の事を話そうとしなかったが、私の事についても聞こうとしなかった。


知りたくないの?

普通知りたいって思うんじゃないの?

好きな人の事を全部知りたいって思うもんじゃないの?




聞いてこないという事は、彼は私の事が好きじゃないんだ。




最初は楽しかったメールのやりとりも、今では不満が募るばかり。

彼は何がしたいのだろう?

これが愛情表現?



私の生活するリズムを把握されているだけで、お互いについて何も知れていない。

ただ監視されているだけに思える。




やっぱり私の事を好きになってくれる人なんていないよね。

最後に辿り着く場所はここ。




誰にも愛された事がないから、自分が今愛されているのか?わからないよ。

私は未熟で欠陥が多いジャンクな人間だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る