第5話出会い 5




♪~ ♪~


「・・・ぁっ?」


着信音に起こされた。

あぁ眠ってたんだ。


携帯を開くと時刻は PM3:03 。

3時か・・・・・・、そろそろバイトに行く準備をしないと。

身体を起こしつつ携帯を操作する。



メールが1件受信されていた。

さっきの着信音は、恐らくこれが原因だろう。


メール画面を開くと、宛先には岡野さんの名前が見えた。

さっきの長文メールに返信をしていないというのに、何の用なのだろうか。



To 岡野裕也

Sub 無題

Text 3時の休憩に入りました

   15分まで休憩です

   大西さんは 仕事に気を付けていってらっしゃい




え?これだけ?

自分が休憩に入った事と、私へのいってらっしゃいだけ送りたかったの?


流石に2通も返信を送らずに貯めておくのは気が引ける。

急いでメールを打った。




Sub 無題

Text お疲れ様です!返信が遅くなってごめんなさい。

   返事は仕事から帰ってきてから送ります。

   ありがとうございます^^



送信っと。

3時の休憩は時間が短いみたいだから、返信なんて来ないだろう。

携帯をベッドへ放り投げると、クローゼットから着替えを取り出す。



♪~ ♪~


すると背後から聞こえてくるメールの着信音。



まさか・・・・・、もう返信がきたとか?

半信半疑で携帯を手に取り、メールを確認する。

宛先には 岡野裕也 の名前。



To 岡野裕也

Sub 無題

Text ありがとうございます

   時間がなくて これしか打てません

   好きです

   仕事に戻ります




見た瞬間、背筋にゾクっとした物が走った。

この言葉は嘘?本当?騙されてる?



彼のそのメールに返信が出来ないまま、バイト先へと向かった。

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