忍者時代3

「ねぇ、雪あなたは今幸せ?」

「うん、幸せだよ。だって今は主がいるから ね」

「いいな。とっても羨ましいよ雪ちゃん」

「本当に羨ましいな」

「だって、私達はあんたのせいでもう二度と 主に仕えることだってできないだもの」

「そう、お前のせいだ雪」

さっきまで楽しそうに笑っていた仲間達は私を軽蔑した眼差しで見ていた。そしてこう言い放った。

「お前だけが幸せになるのは許さない」

私はそこで夢から覚めた。

「良かった・・・夢だ。きっと私が最近幸せ そうにしているのが気に入らなかったんだ よね。大丈夫だよ皆・・・私は死ぬまで皆

 の怒りや無念、そして恨みを忘れずに心に 刻んでおくから」

仲間達に報いるようにそっと口にした。

「皆の為に私は奴らを殺す・・・」

私はそう呟いた。そして着替えて中庭で余計な想いを断ち切るように新しい技の練習を始めた。

「水よ我が命を受け龍のように舞え」

私は水の中心にクナイを投げた。

「あっ、また集中力切れちゃった」

パシャっという音と共に水が地面に落ちた。本来は水の中心でクナイが回転し、速度をあげて遠くまで届かせようとしていた。だが、クナイを投げることに集中し過ぎて水を浮かせられなくなってしまうのだ。

「火なら簡単に出来るのにな・・・。あっ、 ダメだ。火の能力は奴らに見つかる可能性 があるから使わないって決めたんだよね」

私はしばらくの間我慢したがやはり誘惑に負けてしまい辺りを見回して誰もいないことを確認した。

「火よ我が命を受け龍のように舞え」

中心にクナイを投げ入れたが火が消えることは無かった。

「今のでこつが掴めた気がする!」

私はその後も何度も納得いくまで新たな技の練習をした。

俺は久しぶりに早起きをして一番乗りだろうと思い中庭に出た。だが、そこには今までに見たがことないとても難しそうな技の練習をしていた。

「何かいつもより焦ってる顔してるな。あっ 惜しい」

その後も何度も練習していたが雪は最後の最後で毎回失敗していた。

「どうしてあんなに焦ってるんだ。雪が落ち 込むことなんて滅多にないしな。えっ、  雪って火の忍術使えたんだ。おぉ、しか  もちゃんと使えてるし」

俺が木陰に隠れて独り言を言っているとすぐに雪に見つかった。

「見えてますよ朔夜兄さん」

「やっぱりバレてたか」

「バレバレだよ兄さん」

この後、私は練習を終え普通に朔夜と話をした。

 

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