忍者時代4

「雪影ちゃん今から町へ買い物に行くんだけ ど一緒に行く?」

「はい、行きたいです」

「分かったわ。それじゃあ五分後にお屋敷の 玄関に来てね」

「了解です」

私は明鈴さんに買い物に誘われワクワクしながら部屋にもどりタンスを開けた。

「えっと今は春だがら桜柄の着物にしようか な」

私はタンスの中からお気に入りの桜柄の着物を取り出し着替えた。

「あっ、もうこんなに時間たってる。はやく 行かないと明鈴さんとの約束の時間過ぎて る」

私はとんでもない速さで明鈴さんのもとまで走って行った。

「あら、そんなに焦らなくてもおいていった りしないわよ雪影ちゃん」

「遅れてごめんなさい明鈴さん」

「準備に時間がかかるのは仕方ないわ。だっ て女の子なんですもの。それじゃあ早速行 こうかしら雪影ちゃん」

私達は屋敷を出て歩き始めた。

「今日は何を買いに行くんですか?」

「明日のご飯の材料と雪影ちゃんの新しい着 物を今日は買いに行くのよ」

「わ、私の着物?いらないですよそんなの」

「主様の命令よ。これから外に行く機会が  あったときにないと困るから買ってこいと 言われたの。柄は私も一緒に選ぶわ」

「私が行かないって言ったらどうするつもり だったんですか?」

「もし断られたらたくさん買うから荷物を  持って欲しいなって言うつもりだったのよ ね」

「本来の目的を言って下さったら普通につい て行きますよ明鈴さん」

「ふふ、それじゃあ面白くないわ。着いたわ よ。ここが仕立屋さんね」

高級感漂うとても綺麗な建物だった。そして私達は中に入り楽しく話しながら着物の柄を選んだ。だが、その後に何度も体のいろいろな場所のサイズを測られとても疲れた。

「お疲れ様雪影ちゃん!会計はもう済ませて るし、着物は今度また出来上がったら取り に行くからご飯の材料買いにいくわよ」

「はい、了解です」

私は返事をした後ドンっという音ともに私より少し小さいぐらいの男の子にぶつかった。そして明鈴さんその男の子の顔を見てこう言った。

「楓君っ!?どうしてこんな所にいるの?ま さかまたお屋敷を抜け出してきたの?」

「そ、そんなんじゃないよ」

楓君と呼ばれた男の子は焦りながらそう言い走り出した。

「雪影ちゃんその子担ぎ上げてもいいから捕 まえて」

私は走って追いかけその男の子を担ぎ上げた。

「お、下ろしてよ」

「雪影ちゃんその子お屋敷に連れて帰ってく れるかしら?私はまだこれからご飯の材料 買って帰らなきゃ行けないから」

「いいですよ。ですがこの子一体何者です  か?」

「俺の名前は楓で頼朝兄さんの一番下の弟だ よ」

「そしてよくお屋敷から抜け出すのよね」

「それじゃあ私は楓君を連れて屋敷に帰りま すね」

「お願いね。それじゃあまた後で」

私はこうして楓君と話しながら屋敷まで帰った。

「楓君は明鈴さんが帰ってくるまでとりあえ ず朔夜兄さんと話そうか。今、主いないし ね」

「分かったから先にまず俺を下ろしてよ」

「あっ、ごめんね」

そして私は逃げられては困ると思い手を繋いで朔夜兄さんの部屋まで行った。

「朔夜兄さん入ってもいいかな?」

「あぁ、構わない」

私が障子を開けると朔夜兄さんは目をまん丸にして楓君を見た。

「楓、お前また抜け出しただろ」

「兄さんに比べたら俺の方がまだ可愛い回数 だって」

「えっ、兄さんも脱走とかするんだね」

そして明鈴さんが帰ってくるまでたくさん三人で話した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る