忍者時代2
「朔夜様いらっしゃったら返事して下さい」私はとんでもなく広い中庭を歩き回り朔夜様を探し始めた。だがなかなか見つからないので私は術を使うことにし、地面に手を付けた。
「土よ探し人の場所を教えたまえ・・・。そ こですか」
俺は新しく俺の護衛に付いた忍にクナイを投げ、隠れていた木陰から出た。
「怪我をさせてすまない。だが俺より弱い者 に俺の身を任せる訳にはいかないからな」
クナイに驚き、倒れた忍に手をかした。だがその忍は白い煙と共に消え、木の上からさっきの忍に似た女が降ってきた。
「あなたが朔夜様ですか?」
「あ、あぁ、そうだがお前さっきまであった 顔の傷はどうした?」
「あれは私の身代わりの人形ですよ」
「う、嘘だろ。そんな暇無かったはずだ」
「ところで朔夜様、私はあなたの挑戦を見事 達成いたしました。なので朔夜様の護衛に なってもいいでしょうか?」
「いい・・・が、俺のことを朔夜と呼び、敬 語を使わないことが条件だ」
「でも」
「異論は認めない」
「分かったよ。でもせめてあなたの方が年上 だから朔夜さんで許して」
「朔夜さんじゃなくて朔夜兄さんって呼んで くれ。だって俺達もう家族だろ」
「兄さん・・・。朔夜兄さん、私は雪そして この家での名は雪影だよ。よろしくね」
「よろしくな雪」
これが私と朔夜兄さんのぶっ飛んだ出会いだった。そして私はすぐにこの屋敷にも慣れることができた。
「雪影ちゃん、洗濯物が屋根の上に乗っ ちゃったからちょっと取ってきてくれない かしら?」
「はい」
こうやって明鈴さんにいろいろなことを頼まれるようになったり
「おい、雪影これ書庫に入れといてくれ」
「了解です」
龍さんに仕事を任せてもらえるようにもなった。何だか信頼されてるみたいで私は仕事を任せてもらえることがとても嬉しかった。そして何より嬉しかったのは龍さんが私のことを認め私に宝玉をくれたことだった。
「雪影、お前にこれをやる大切にしろよ」
「これって私が仲間って認めてくれたってこ とですよね龍さん!」
「あぁ、そういうことだ。これからも朔坊の 護衛を頑張るんだぞ」
「ありがとうございます」
私はあまりにも嬉しくて朔夜兄さんのもとへと走っていき、みせびらかしたんだ。
「ねぇ、朔夜兄さん見てこの宝玉!今ね、 やっと龍さんが私のこと認めてこの宝玉く れたんだ」
「おぉ、雪もこれで立派な源家の忍だな。お めでとう」
その後も朔夜兄さんは長い私の自慢話を嫌がりもせず、ずっと聞いてくれた。きっと私はこの時すでに朔夜兄さんに惹かれ始めていたのだろう。
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