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★ ★ ★ ★ ★ ★
「わー、ユウコちゃん、なんかすごーい」
目の前で繰り広げられる大胆な行動に、あたしは思わず拍手をしながら小さく微笑んだ。
あたしの名前はジュレ。
恐怖心を食糧にしてる妖精なんだ。
「おぉー、血がいっぱいだー」
昨日、ユウコちゃんから貰った恐怖心、ほんとおいしかったなー。
とりあえず、楽しく過ごしてるかどうか見にきたんだけど、
「うわー、また刺したー、ハハッ」
人間って凄いなー。
恐怖心がないと、何でもするんだなー。
「あっ、そういえば……」
恐怖心が無くなった人間って、こういうパターン多いかも。
ほとんどの人間が、なんか盗んだり、殺したり、自殺したり、ぶっ壊れてやりたい放題になること多いかもー。
「う~ん、てことは……」
恐怖心って、人間に絶対必要な物なんじゃないのかなー?
でも、いらないって言うもんなー。
ほんと、人間って不思議な生き物だわー。
「まあ、でも……」
そのおかげで、あたしは美味しい恐怖心が食べられるんだよねー。
「アハハハー」
いやー、ほんと、いっぱい、存在してるもんねー。
ほんとは脱いじゃいけない鎧なのに、簡単に脱いじゃう人間。
「さてと」
お腹もすいてきたし、そろそろまた探しにいこうかなー。
恐怖心いらない人間を――――
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