第17話 いきなり過ぎて…もう、ワケワカメ!

「……は?…どこだ、ここ」


 固く冷たい床に身体が悲鳴を上げて目を覚した俺がいたのは、真っ暗でジメジメした檻の中だった。


「……もしかしてちかろう、的な?…生まれ変わってすうじつでゆーかいをたいけんですか?いやいや、テンプレすぎてワロエナイ」


 落ち着け、落ち着くんだ俺。パニクっていられる状況じゃないだろう。この頑丈そうな檻から自分一人で脱出するのはまず不可能だろうし、取り敢えず気を失う前の事を思い出そうではないか。




✽✽✽✽✽




「すげぇー…城でけぇー…人でけぇー…うおっ!なんだあれ!なあフィオナ!あのキラキラしてるほーせきみたいなやつなんだ!あ、それより向こうのあれちょーうまそうじゃん!」


「分かったから!ちゃんと一つずつ見ていくからそんなに走り回らな……」



「うへぇ、いいにおいすんな!フィオナ、これ食おうぜ!…ん?あれっ?お、おーいフィオナー…?」


 フィオナと逸れた事に漸く気付き慌てて辺りを見渡すが、城下町の中心街であるそこは大勢の人でごった返していて、背の低い彼では探すのは困難だった。


「あれ…これやばくね……うわっ」


「おっと、すまねーな坊主」


「あ、いやわりぃ。こっちこそぼーっとしてた」


(人が多すぎて押し潰されそ…てか人酔いしてきたかも…うぷ…何処か、人が少ないとこ…)


 気分の悪さを必死に堪えながらクロードはふらふらと人のいない場所へと足を踏み込み…


「で、だ。きもちわりぃのはなくなったわけだが……ここどこだよ!」


 迷っていた。

 前世で重度の方向音痴だった彼であるが、転生後もきっちり引継いでいた様である。

 周囲の街並みは賑わう中心街とは打って変わって、静寂に包まれていた。建物も今にも崩れそうな程ボロボロである。


「あーやばい…歩きつかれてすいまが…もーむり…」


 まだ身体は子供だからだろう、睡魔に逆らえずボロボロの壁に寄り掛かってすやすやと寝息を立て始めた。

 自身に近付く影の存在に気付く事なく。

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鴉に転生したが、普通の鴉じゃないっぽい エテルネル @etelnel

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